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常闇さん (8o5a7sla)2023/3/22 17:59 (No.53963)削除
【名前】
 Rose Obscurité(ロゼ・オブスキュリテ)
 (オブスキュリテ家は花の夢魔一族の本家)

【性別】
 女性

【年齢】
 130歳

【能力】
 《常闇の薔薇》
 常闇の花は根や刺から色を奪っていく。バラの形をした花。
 奪った色によって様々なモノに対応した薬と毒を生み出す。
 赤は傷や外傷に対応する薬と毒を生み、毒として使えば量に応じて傷を作ったり体を欠損させる。薬として使えば傷や欠損を再生する。
 同じように青は精神。緑は病気。紫は毒。黄色は運。例外として白と黒が存在する。
 また、色を奪われた部分はそれぞれ対応したものに対しての耐性が著しく低下する。
 例外の白と黒は白は色を奪っていない時の状態を示す。この状態では色を奪うことしかできない。バラの蔓等で攻撃はできるが殺傷力は高くない。
 黒は一物体、一生命体の全ての色を奪った時の色。全ての色を奪うと黒へと変わり時間を奪う。時間を奪うとその対象は動かなくなるが同時に死ぬことも壊すこともできない、謂わば動けない無敵の石像のようになる。色を一色でも戻すと動くようになる。
 制限がいくつかありまずひとつは「一度に複数の物を対象として色を奪えない。」一人から少しずつ色を奪うことはできるが、他のモノから新たに色を奪うには一度色をどこかに吐き出さなければならない。
 二つ目は「生物からは全色好きに奪えるが、物に対しては色を奪った時点で黒になる。」生物を対象にした場合その生物がその色をもっている持っていないにかかわらず各色奪うことが出来るが、物に対しては精神や病気等は存在しないため奪った時点で黒。時間しか奪えない。この状態でも当然色を戻さないとほかから色は奪えない。物から奪った黒色は生物に対しての毒や薬にも使えないため、物の動きを止める。壊れないようにするためにしか使えない。
 三つ目は「色を一度使用すると奪った対象に強制的に色が戻る」というもので、色を薬または毒として誰かに使用すると色を奪った相手に戻るというもの。
 四つ目は「自分の色も奪えるが、自分には使えない」というもの。自分から色を採ることも出来るが、その場合は人にしか使えない。自分の色をとって傷を回復等はできない。
 また、時期を開けず頻繁に色を奪い続けられたものは、色が戻る時に色が霧散していくとされる。噂程度でしか知られていないほど希のことだが、時間にしておよそ一週間に数百回程色を奪われると奪われた色が枯渇していき枯渇して減った色は二度と戻らないと言われる。そのため一人から頻繁に色を奪い続けるとそのものの傷に対する耐性。精神の安定。免疫力。毒の治療確率。運の上下等が失われていくことになる。


 《能力により色を薬として使用。毒として使用。奪った時の状態早見表》

   【色を奪う】     【薬として使用】     【毒として使用】
 赤 防御力が下がる。   傷や欠損が治る。     傷や欠損を生み出す。
 青 精神が不安定になる。 精神がポジティブになる。 精神がネガティブになる。
 緑 免疫力が低下する。  相手の病気を治す。    相手を病気にする。
 紫 毒が治療不可になる。 毒を治す。        毒を与える。
 黄 運が常に吉状態。   運が良くなる。      悪運になる。

 白→色を奪ってない状態。特にできることはない。
 黒→物から色を奪ったとき。または生物から上記五色すべてを奪った時の色。時間を奪い停止させる。その間、奪われたモノはあらゆる時間が停止し、外部の影響を受けない。少しでも色が戻れば解除される。

 制限①:一度に二つ以上を対象に色を奪えない。他のモノの色を奪うには一度色を戻さなければならない。
 制限②:モノから奪った色は生物に対して五色の薬や毒として使用はできない。
 制限③:色を使用すると使用した色が奪った相手のもとに戻る。
 制限④:自分からも色は奪えるが、自分の色は自分には使えない。
 危険要素:一人から頻繁に色を奪いすぎると、色が少しずつ戻らなくなっていく=永続的にデバフがかかる。

【目的】
 強い立場にいながらも下の者を見ないもの。権力を振りかざし弱者を虐げるものから色を奪い弱い立場の者に使い、弱い立場のものたちを助る。弱い立場のものである「貧民層」や「怪我や病気に侵された人」「運に見放された人」「傷を負って動けない人」等にとっては彼女は時折女神とも言われる。

【容姿】
 黒髪パッツンのロングヘア。目はバラの代表色である赤色をしている。
 服装は黒と白のモノクロカラーのロングドレス。神を一部三つ編みのように編んで後ろで止めており、髪留めには彼女の使う薔薇がなれる色である赤、青、緑、紫、黄、白、黒のバラの髪留めをそれぞれ持っており気分によって変えている。一番使用率が高いのは白である。靴も服装に合わせた服装に合わせた黒いハイヒールでヒール自体はそれほど高くない靴を履いている。ドレスの先は薔薇のような飾りが施されており、豪華のようで少し不気味な雰囲気を醸し出している。
 背中には彼女の能力の本体でもあり彼女を花の夢魔一族だと象徴する大きなバラの花がついている。バラの花からは茨の蔓が出ており、彼女の腰や足。腕に巻き付くようについている。茨はRose自身を傷つけることはないが他者に当たれば当然バラのトゲ同様傷をつけることができる。このバラでも攻撃は可能だがさほど攻撃力は高くないため素の戦闘力自体は対したほどではない。夢魔としては物理攻撃力はかなり弱い部類になる。
 また、薔薇の花は普段隠すことが可能で隠す際はつぼみになってから少し平たくなり収まっている。そのため、再び開く際はブワッと少し荒っぽく広がるように姿を現す。花以外には彼女等花の夢魔一族を見た目で見分けるのは難しいため、見た目では人間とほとんど差異がない。
 身長と雰囲気からまだ幼いようにも見えるが、年齢は100を超えており十分に精神も大人。跡取り候補のひとりでもあるため花の夢魔一族の当主になるかもしれない。線は細く体型から見て取れるとおり力も弱く、手で握るよりもバラの蔓で締め付ける方がまだ強い。脚力もないのだが背中についているバラは完全に一体化しているため蔓を使って素早く移動することはできる。

【性格】
 性格は大人しく物静か。必要以上はあまり喋らないタイプであり普段は木陰で本を読んでいそうなお嬢様。
 弱い立場の者には優しく、強いものは弱い者に手を差し伸べるものだという意思を持つ。それに反して下のものを虐げて私腹を肥やす者を嫌う。嫌いな相手に対してはとことん冷たく氷華状態ともされる程冷え切った対応をする。蔑みの目を向け時にして容赦のない制裁も与えるほどで、昔一度。戦争がまだあた時代にとある者の色を何度も奪い衰弱させたこともある程。基本的には人に優しく自分に厳しい性格で、沸点がかなり高い方ではある。だが沸点に達すると同時に殺意にも達する、俗に言う怒らせると怖い性格。
 花を愛でるのも好きでありバラに限らず多くの花を育てるのを好んでおり、マメなことを好む。日記も毎日つけているほどコツコツやることを好んでいるため、現段階でも当主にふさわしい候補の一人だともされる。また、その反面で行動力もあるため花の夢魔一族の信念である「か弱きものを救う」という信念のもと強い立場でありながら何も動かないもの。下のものを虐げ私腹を肥やすもの。何もかも独り占めしようとする強欲な者等の夢に現れては色を奪い、弱い立場のものへ分け与えている。さらに酷い行いをしているものに対しては、奪った色の一部を毒として与え、自分のしてきたことに対しての罰を与える等のことも行っている。
 また、基本戦闘は好まず前述通り大抵の人に対しては友好的な方である。そのため戦闘をするときは極希であり、もし獏等に狙われたりした場合は能力を使って精神を落ち込ませたり、時間を奪ったりして遠くまで逃げてから色を戻す等で逃走することのほうが多い。

【座右の銘】
「弱縟強色」:"強"いものの"色"で"弱"い立場の者を"縟(かざ)"りをもたらす。

【SV】
「Rose……Obscurité。花の夢魔一族……薔薇の夢魔。」
「傷…治すから動かないで。……大丈夫…すぐ治る…」
「私は…人と戦うつもりはない…。…戦う気なら…こっちに来ないで…。」
「酷く…碌でもない…どうしようもない奴だ……。罪を数えて…懺悔しろ…。」
「一族の問題は…一族で解決する……。…人に負担は掛けない……。」

【花の夢魔とは】
 初代は約1790年頃。フランスにてとある人権派の貴族が革命を期に貴族も市民も皆公平にすべき時が来たのだと意見し、処刑されたことが始まり。この貴族の事を隠すため処刑は彼らの住んでいた屋敷の庭で行われることとなり、この貴族は歴史の中から抹消されてしまった。
 しかし、彼らが育てていた大切な花々が彼らの無念がこもった血を吸ったことにより突然変異か。はたまた亡霊でも乗り移ったのか。いずれにせよ何かしらの要因により、その貴族等が育てていた花は「花の夢魔」として変異してしまった。そこから数百年。花の夢魔は数を増やしつつも「か弱きものを救う」ということを心情とし、古い頃から存在する夢魔の血統の一つ。そのため近年の夢魔の大量発生に乗じて、彼等「花の夢魔」も時折「獏」に狙われるようにもなってしまった。それに加え最近は末端。花の夢魔としての血が薄いためなのかこの心情に同意せず、反した動きをする一族の者もわずかながらに現れているため、花の夢魔も近年は手を焼いてしまっている。
 Roseは130年前に初代が生んだ長女であるため非常に血が濃く、この心情を体現したような能力も所持している。見た目が幼いのは「花の夢魔」の始まるきっかけにもなった貴族の一人娘に似た見た目をしているのが原因らしく、Roseはその一人娘の色違いのような容姿をしているらしい。

【募集関係】
花を土台にしようと思っている夢魔の方。是非「花の夢魔一族」に来てくれると嬉しいです。
現当主(所謂初代)やその他兄弟・姉妹募集してます!分家で別苗字もOKです!
常闇さん (8o5a7sla)2023/3/22 18:58削除
===追記===

【身長】
142cm

【体重】
32kg

【スタイル】
B62・W52・H81
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返信1
部屋主さん (8o4ipuzm)2023/3/22 05:09 (No.53914)削除
【名前】
「八舞 美由紀」
(本物の八舞 美由紀は201X年X月X日にて交通事故により死亡。本来の名前は別・もしくは無い可能性がある。)

【性別】


【能力】
《修復》
 その名の通り、無機物を修復することのできる能力…なのだが、復元できる範囲は非常に小さい。その代わり一度で同時に復元できる数は多い。「八舞」の意識が気絶などによって途絶えた途端、能力は効果を失う。

《電流操作》
 自身から電流を流すことができる。
 電線と機械を遠隔で繋げ、稼働させることができる。電線・機械が破損していても彼女の《修復》で復元可能性であり、これにより、廃病院であるはずの「八舞」の拠点内にある電気設備は稼働状態にある。また、周辺にある電子機器を使用困難にして妨害することも可能だが、拠点内では他の電子機器にも支障が出かねないため、その際には全ての設備の電源を切ってから妨害を行う。
 此方も《修復》と同じ理由で効果を失う。また、一度に電流を多く流しすぎると体に激痛が走り、最悪の場合痛みで気絶してしまうこともあるそうな。

【目的】
患者の看病…?
(「八舞」は身体を著しく負傷している・精神に何らかの障害を持っているなど心身のいずれかに怪我を負っている人間を誘拐し、「夢の世界」へ閉じ込め、常に昏睡状態にさせている。彼女は時々、ナースコール(自分が遠隔で鳴らしている)に対応したり、院内を徘徊しては患者の世話をするかのような言動を見せるが、点滴が空であったり、何をすることもなく患者を眺めているだけの時間があったりと、看病が目的にしては不可解な言動をすることもある。)

【容姿】
 人間と何ら変わりのない容姿ではあるが、体は酷く痩せこけており、低い一つ縛りの黒髪も艶がない。本人曰く「寝る間も惜しんでいる」そうで、虚ろな黒い瞳と隈がついた目がそれを真実だと裏付けている。
 服装はピンク色のナース服であるものの、戦闘のせいか返り血がついていたり、所々破れていたり、汚れがついていたりする。それもあってか「八舞」は酷く不気味であり、消灯後に懐中電灯片手で院内を徘徊する様はホラー極まりない。

【性格】
 容姿でわかる通り、看護師に成りきっている「夢魔」。「外勤」と称して外へ出かけては(本来看護師に外勤なんて無いはずだが…)、病院から患者を攫って「夢の世界」に送り込み、自身の拠点である廃病院に監禁している。「八舞」は寝る間も惜しんで看病をするそうだが、どうしても眠ってしまいそうな時はわざと能力で高電流を流し、激痛で無理やりにでも目を覚ましている。寝たって「名無し」は死なないが、それでも「八舞」は眠ろうとはしない。
 先述した通り「八舞」は心身の傷付いた人間を病室に連れ込むが、それは戦闘員も例外ではない。返り討ちにして重傷を負わせておきながら、「夢の世界」へと誘っては他の患者達と何ら変わりもなく接している。端から見れば狂気そのものであるが、「八舞」にとっては彼等もまた患者のうち。

【備考】
 能力は戦闘向けではなく比較的弱め……ではあるものの、見た目の割には筋力が強く、また病院のセキュリティを回避できる程には隠密・妨害能力にも長けているため、油断して丸腰で挑めば返り討ちにされてしまうこともある。また、電流による痛み等に耐性があるため、スタンガン等は効果が薄い。

【SV】
「わた、わた……し?私は……『八舞
美由紀』……よ。八舞さん、とか、で……いいわよー……?」
「うふ、ふふ……め、面談……?あなた、どの患者さんの……お、お知り合いな、の?」
「寝ない……寝ちゃ、ダメなの、よ……忙しい、の……」
「痛い、わねー?苦しい、わよねー?……大丈夫よ、すぐ……包帯、持ってきてあげますから、ねー……」
「あ、ぁ……?からだ……体、私は平気、平気よ……電流な、ら、慣れてるわ……」
「美由紀……?美由紀……みゆき、ちゃん……みゆきちゃん、は……」
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雪羽さん (8oflwd90)2023/3/31 14:47 (No.54991)削除
【本名】
Lene・Andersen
(レーネ・アンデルセン)

【年齢】
20


【性別】



【夢遊】
悲哀の夢魔による夢遊。
あまり覚醒することはなく、ぼんやりとした様子。
覚醒している間はいつも涙を流している。
覚醒は、月に一度のこともあれば、週に1度の事もある。驚くほど不規則。
眠りにつけば、起きていた時のことを全て忘れてしまう。
何より恐ろしいのは、忘れてしまったことも忘れてしまう。


【容姿】
流れるような金髪に、明るい黄色の瞳。
耳には黄色の花のピアスをして、髪には大きな赤いリボンをしている。
髪はややふわふわとしており、触れてみれば事実柔らかい。


【性格】
the・お嬢様、といった感じ。
優雅に、淑やかに。実際名家の令嬢だったりする。優雅に笑みを浮かべ続けているが、恋に敗れ無理をしているようにも見える。
優雅な笑みに全てを隠す、鉄壁の淑女とも言えよう。彼女は常に微笑みを浮かべている。
彼女はいつだって完璧に淑女である。
完璧な淑女であることを求められた。

故に、この悲哀の夢魔に襲われたこの状況は、救いなのかもしれない。


【備考】
囚われる前のことの大半を覚えているが、想い人と結ばれなかったという事実だけ忘れてしまった。
婚約者がいるが勿論、婚約者の事も覚えていない。何しろ、想い人と結ばれると信じきっているのだから。
そして、囚われた後覚醒している時のことを何一つ思い出すことが出来ない。


【SV】
「私はレーネですわ。」
「どうしても……止まらないんです……何が、悲しいのかも……わからないのに」
「……どうして、でしたっけ。何か、嫌なことが…あったような……。」
「私、とてもお慕いしております方がいらっしゃいますの。……今、どちらにいらっしゃるのでしょう……。」
「……あら、初めまして。私、レーネ・アンデルセンと申しますの。…あら?お会いしたことがあるんですか?…すみません、私……覚えていないのです。」
ななめーかー様お借りしました
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返信0
烏丸さん (8oaw6zp9)2023/3/28 14:21 (No.54624)削除
【名前】高柳 夜(タカヤナギ ヨル)

【性別】男性

【年齢】18

【夢遊】享楽の夢魔による夢遊。意思疎通は可能だが、記憶が所々欠けている。一週間に2日程覚醒した時はピアノを弾くような真似か実際に弾いている。曲を弾き終わるとまた眠りに落ちる。それがない場合は普通の人間と同じように過ごして眠る

【容姿】身長は165cm。茶髪を肩まで伸ばし片目は髪によって隠れている。垂れ目の黒色の瞳でぼんやりとした雰囲気を持っているように見えるだろう、夢魔に引きずり込まれる前の学生服を着用していてきっちりとボタンを全て留めている

【性格】興味のある事に関しては目を輝かせて飛びつくが、そうでない事に関しては素っ気ない返事をする事も珍しくない。普通に会話するのは可能だが、地雷を踏まれそうになると遠回しに避けようとする。一度打ち解けると臆病な面はなくなり本来の穏やかな性格が顔を出す

【備考】存在している記録によるとピアニストとして最年少記録を次々に塗り替えていたようだ。だが彼に聞くと素っ気ない返事しか返ってこない。ピアノを目の当たりにするといつものぼんやりとした雰囲気は何処へやら覚醒したように一心不乱にピアノを何曲も弾き続ける。それが終わると疲れたように眠っている一人称僕、二人称君、さん
好きな物エスプレッソ、ピアノを弾く事嫌いな物集中力が途切れる事
大事そうに抱えている楽譜があるみたいだが…?

【SV】「僕?高柳夜。よろしく」「そんな話は興味ないなぁ…違う話題にしてほしい」「うん?え、その話題が来るとは思わなかった、その話の続きを聞かせてもらえると嬉しい」「……その話だけは聞きたくない……嫌な予感がする」
「少年少女メーカー2」様よりお借りしました
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返信0
月見さん (8ocpj03u)2023/3/27 22:42 (No.54577)削除
【本名】
David・Crocus(デイビット・クロッカス)

【性別】


【年齢】
16歳


【夢遊】
白昼夢の夢魔による夢遊。
いつまでも、ただボーッと遠くを見て、心ここに在らずといった様子。
事実、目の前で手を振っても眉ひとつ動かさない。
一週間に一度、5時間ほど覚醒する。覚醒すればペンと何か書けるものを手にとって、ぶつぶつと何かを譫言のように呟きながら詩や小文を綴り、終わったらまた眠りに落ちる。もしそれらが近くになかったなら、人間として普段通りの一日を過ごして眠りに落ちる。


【容姿】
身長165cm、体重43kg
クリーム色に近い髪色をしており、膨らんで、ぼさっとしている。緑色の眼をしており、目尻が垂れている。まだ育ちきっておらず、幼い印象を受ける。また、夢に囚われる前に栄養がしっかり取れていなかったのか、肉付きが薄くてヒョロい。しかし、持久力は高い。
きっちりとした服装を常に纏っており、側から見たら作家や学者のように見える。


【性格】
嫌いなことは嫌いとはっきり言える性格。慎重で誰とでも打ち解けることができない。しかし、関わる回数を重ねていけば親しくなれるタイプ。几帳面で時間の計画を秒単位で作り、乱されたら怒る。ある程度親しかったら目を瞑ってはくれるもののなかなかに難儀な性格である。また極度の倹約家でもあり、取引の際はできるところまで値切ろうとする。
目上の人に対しては謙虚でよく相手を持ち上げたりする。
物語を作ることに異常な熱意を抱いている。自分が満足しても数日後にはこれではダメだと言って、棚にしまって新たに綴り始める。夢魔の影響か、ずっと自分の腑に染み渡り、満たし続ける物語を渇望している。


【考察】
存在している記録によると、彼はドイツの孤児院で育てられた。その孤児院は一人のトネリコという女性によって管理されていたようだが、その女性の足取りはいまだに掴めていない。まるで霧のように痕跡が消えている。彼から孤児院のことも含めて聞き出そうと試みたがどうやら覚えていないようで、その欠落を知った彼は悲痛な叫びを上げて一時的に精神が不安定な状況に陥った。ここまでくると、孤児院の存在すら怪しい。
彼は覚醒すると、第一にペンを手に取り、罫紙の空欄を記者も顔負けの早さで埋めていく。少々読みづらいが、内容は物語だ。大切な人と別れるという悲劇的な内容のものが多いが、子供でも読める教訓じみた物語も書くようだ。推測するに、彼の人格形成において、いわゆる物語は多大な影響を与えたようだ。

【備考】
好きな物:絵本、詩、小説、雄大な自然
嫌いな物:批評家、時間にルーズな人
羽根ペンをよく使う。文字で埋まった紙が大量に入った棚の中には万年筆があるが、これを使おうとはしない。「約束があった気がするんだ……とても大切な約束が」

【イメソン】
輪廻転水


【SV】
「……僕はDavid。David・Crocusです。時間が惜しいのでこれで。」
「批評家は嫌いだ。平気に世界を荒らしては、まるで全てを知っているかのように講釈を垂れやがる。何が面白いんだか。」
「どんな夢を見たか?変なことを聞くね、君は。……満点の星空を地べたに寝転がって眺めて、好き勝手に星座を作る夢……だったかな?」
「ああ……この展開は前にもやったな。……なしだ。」
「できました……ついにできましたよ、先生!!僕の物語が………あ、れ?先生って……誰だっけ……?」
ピクルーで作らせていただきました
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白烏さん (8o9grpe8)2023/3/25 16:14 (No.54237)削除
【本名】夜遊 真昼(よあそび まひる)
【性別】女
【年齢】19歳
【身長】159cm
【体重】44kg
【夢遊】意思疎通可能で自分の意思で行動出来る。しかし、夢を見る前の記憶が一切無い。日常と夢はリンクしており日常の夢を見続けている。辛うじて自分の名前を認識している。そして何より、他人の顔を認識出来ない。夢を見ており、尚且つ記憶を失った影響。稀に夢が悪夢に変わり、現実では幻聴を聞いたり幻覚を見たりしている反応をする。(忘却の夢魔の影響)
【容姿】光の反射具合で青っぽく見えるそんなに長くない黒髪、前髪は長く若干目元が隠れて見えづらい。全体的に黒と灰色で構成された服装で、灰色のシャツに青黒いパーカーを着崩して着ている。下は白いラインの入った真っ黒なジャージのズボン。靴は履いておらず、いつも裸足。基本的に痩せ型で、肌も色白。
【性格】基本的にシャイで、初対面相手だと会話を切り出すのが難しい。慣れてくると、普通に会話出来るしなんならちょっと口が悪い。人前では無意識に見栄を張り、大丈夫なふりをする。しかし、人一倍不安を抱え込みやすく、独りが怖いし誰かに愛されていたい。夢を見る前の自分の記憶はなく、漠然と真昼として生きている為、空虚さも感じている。独りで泣いている事もある。最終的に不安とストレスが爆発すると夢現になり、他人に害を成そうとしてしまう。自分が早死したいって本心を拗らせた結果、自分を嫌うやつ、受け入れてくれない奴は死ねばいいのにって思うようになったのが原因。ようするにまともじゃない。
【備考】夢を見るようになってから家に閉じこもり、皆が寝静まる夜に外を徘徊するようになったナナシ。一人暮らしの為家族は居ないし、覚えられてないしでずっと独り。今までナナシとして保護されなかったのは、変わってる人間だけど、意思疎通が出来るし引きこもってるから相手が自分を知らなくても支障は無かったからである。しかし、最近になって貯金が尽きたので、どうにかバイトしなきゃなとか思ってる。ただ、深夜徘徊してる時点でまともじゃないから、獏に見つかったら夢遊のナナシってバレそう。
【SV】
「…じ、自分は、夜遊真昼…です、ハイ…すいません」
「夢?現実?なんの事?」
「以前お会いしましたっけ?」
「ごめんなさい、最近忘れっぽくて」
「和菓子って良いよね。甘ったるいお菓子は嫌いだけど、和菓子の自然な甘さは心を満たしてくれる気がする。」
「夢魔?寝言は寝ていうものでは?」
「いっそ此処が夢の中なら良いのにな」
「何も分からないのが怖い、誰も覚えてないのが怖い、人の目が怖い、生きるのが怖い、死ぬのが怖い、臆病な自分が大嫌い」
「いっそ殺してしまったら楽かな?そしたら誰か私を殺してくれるかな?怖いのも苦しいのも開放してくれるかな…。」
【イメソン】&ab_channel=syudou
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さん (8q6pjtad)2023/5/13 03:19 (No.59672)削除
【名前】
トーマ(本名不明)

【性別】


【年齢】
16歳

【支部】
アメリカ本部

【役職】
副隊長

【武器】
大鎖鎌

【容姿】
白髪と黒髪の混じったショートヘア、透明感のある色白の肌、細い身体。年相応の女の子の顔。顔立ちは整っている。紫色の瞳、薄い唇。普段は白い狐の面を付けていて顔は見えない。白いロングコート。足元は黒いパンクブーツ。背中にはサイズに合わない大きな鎌。腰には鎌の柄から繋がる鎖が巻かれている。身長156cm

【性格】
基本、無気力でのんびりとした性格。

幼い頃に両親を失い、居場所も失い、生きる意味も失い、全てに絶望した人生。
そんな中夢魔に取り込まれ、名無しとなったものの、絶望しかない彼女の中には見る夢すらなく自力で目を覚ます。

以後記憶喪失となり、自分のことを何も知らない。

夢魔への殺意に遠慮がなく、戦闘となるとサイコパス化する。


【SV】
「僕はトーマ……それしか知らない。」

「なるほど……とりあえず……んー…zzZ」

「よし!君達に命令を下す!僕のいちごミルクを買ってこい!」

「とりあえず君は悪い奴ってことだよね?なら殺していいよね?ね?ただ殺すだけじゃ楽しくないよね。どうしようかね。ねぇ?」

「僕と遊ぼうよ。君を悪夢に連れてってあげるからさぁ……。」
返信
返信0
部屋主さん (8o4ipuzm)2023/3/23 00:26 (No.54003)削除
【名前】
Blight・Oidium
ブライト・オイディウム

【性別】


【年齢】
42

【支部】
フランス

【役職】
支部長

【武器】
『特注鎖鎌』
 黒い星と草花の装飾をあしらった美しい銀色の鎖鎌。司令塔であるが故に殆ど戦闘に参加することのないブライトであるが、庭とこの鎌の手入れだけは忘れない。美しい上に殺傷力も伊達ではないが、普段は部屋の棚に収納している。

【容姿】
 先端が白みがかったカーキ色の髪が特徴的であるにも関わらず、花の都・パリを首都とするフランスの民らしく華やかさを持っている。瞳は濁った褐色であり、肌もあまり血色が良くなく痩せこけていることから、彼女は髪色を含めて自身の容姿を良く思ってはいない。
 それ故、彼女は純白のヴェールやドレス等で自身の素の容姿を隠すことが非常に多い。流石に支部長同士の周回などともなれば多少フォーマルな格好にこそなるものの、それでも尚人前では肌を隠し続けている。
(画像ではnotドレス)

【性格】
 先述した通り、彼女は彼女自身の容姿を醜いと感じており、人前では常に肌や顔を隠すことを意識している。
 だが、それでも朽ちることを知らぬ華のような美しさを持つ彼女の立ち振る舞いは淑女の淑やかさを感じさせ、拠点にある植物園にて植物の世話をする様は『神秘』そのものであり、その光景はまるで自然に溶け込むよう。
 それでも、己に対する自己嫌悪は癒えないのだろう。呼び止められては儚く笑い、去ればその背を物憂げに見送る姿は常に哀愁を帯びており、歪んだ感性の持ち主は時に此に美を見出す。

【備考】
 ある夢魔の一族のこともあってか、他国の支部長よりも夢魔の歴史への関心・知識は高い。彼女としては彼らとの友好的な関係性を望んでいるため、彼らの生活を脅かすであろう拠点設営計画などは全て却下してきている。

【SV】
「獏・フランス支部長のブライトだ。……そう硬い顔をしなくてもいいさ。仲良くしてくれるなら、それで。」
「……顔は、あまり。……醜いからな。」
「花の都とはよく言えたものだが、その下に埋まっているものは何か知っているか?……最も、触れたところで掘り起こす権利は与えられないが……」
部屋主さん (8o4ipuzm)2023/4/9 02:25削除
【性格追記】
 彼女は花の夢魔に心酔している。そのせいもあってか、人類のみならず花の夢魔に対して敵対的である者にも激しい敵意を見せる。植物を愛するが故に彼らにも同様の感情を抱いているのだろうが……それにしたって過激派では?
返信
返信1
さん (8oo902ql)2023/4/5 00:33 (No.55751)削除
【名前】南 淳弥(ミナミ ジュンヤ)


【性別】男

【年齢】26


【支部】日本


【役職】戦闘員


【武器】
・レイピア
フェンシングのような突き刺すタイプの西洋剣。彼のメインウェポンであり、本人はこれを「乳首ドリル」と呼ぶ。
本来のレイピアの使い方とは少し違う、どちらかと言えば槍に近い使い方をする。
突き刺された相手が「すな!」と言ってくれないとキレる。無理に近しい話である。
・拳銃
組織から配給されたやつとは別で、弾切れを起こさないように後述の体に巻き付けている銃弾を自動で込められるように改造を施した代物。

・手榴弾&ダイナマイト
攻撃や牽制、撤退やトドメなど多岐にわたって使用する。ダイナマイトは通常のものに加え、回避が困難になるよう導火線を切って短くしているものもある。それは勿論起爆が通常のものと比べて早い。故に自分自身がダメージを負う諸刃の剣にもなり得る。
あと何故か爆発オチに抵抗を覚えている。だが結局爆破する。


【容姿】
身長174,体重55.
自称『1万年に一度のイケメン』。
決して不細工という訳でもないのだが、そこまで言うほどかと言われると疑問が残る。まあ本人は笑いを取るつもりで放った発言なので恐らく本当にそうは思っていない…はず。
赤茶色の瞳。緑髪のショートヘア。まあまあ長めのもみあげがアクセント。 
服に関して、ファッションセンスが壊滅的。色に統一性が一切ないのは勿論のこと、目が痛くなるような極彩色のシャツを着てくることもあれば、パジャマで来るというファッション云々以前の問題だったりする。
戦闘用に銃弾を腰にベルト(どちらかというと腹巻き)代わりとして巻き付けている。
そのファッションセンスの無さ故同僚からは「一生スーツ着てろ」と言われがちである。
服の内容がどうであろうと革のブーツは確実に履いてくる。
扇を持っていて、事あるごとに扇ぐ。白地に日の丸と、でかでかと日本一の文字が書かれている。

【性格】
大阪生まれ大阪育ちの生粋の関西人。故に関西弁である。
非常に明るい性格で、会話中や戦闘中やたらとギャグを挟みたがる。
ただし弁えるべき立場では至って真面目な雰囲気で接する…がどさくさに紛れ寒いギャグを飛ばす。
とにかく笑いを追求しており、戦闘の際もどれだけ面白い戦いを繰り広げられるかを一つの評価点としている。
意外と視野が広く、周辺の環境を利用した臨機応変な対応が可能。
基本的に鋼のメンタルだが、ギャグが滑ったり「おもんないぞ」と言われると本気で凹む。芸人のネタを使用した場合その芸人にその場で謝り出す。大御所の芸人のネタだった場合「師匠」と呼ぶ。その人らに教えを乞うた覚えはないが。あと「アホ」なら許せるが「バカ」は許せないらしい。
また、非常に『奪われる』ことに対する抵抗が強く、また庇護欲が強い。これは彼の過去に起因するのだがそれは備考にて。


【備考】
一人称は俺、二人称は自分。三人称は時と場合により変わる。
長らく本人の希望で大阪を中心とした関西地方で行動していたが、最近招集がかかり、東京支部所属となった。
関東で活動することをあまり良く思っておらず、「関東に来い」と司令が来た時は「ラッスンゴレライ説明すんのと同じくらい難しいですわ」「551の豚まんが全国展開始めたら考えます」と一度は突っぱねた。
しかしかなりゴネた末に渋々受け入れたという。
物価の高さや551の豚まんやカールが無いこと、何より夢魔のノリが悪いことが気に食わない様子。豚まんとカールはネットショッピングで妥協している。
2週間に1回は串カツを食べるのと新喜劇を観る為に大阪に帰る。「運賃馬鹿にならんねん、本部から支給されへんかなぁ」と随分自分勝手なことをぼやいている。
大阪時代はよく何もないのに道頓堀ダイブをしており、その度に警察官から補導を受けていた。
彼の半生は殆どの期間孤独であった。
4歳の時に母は交通事故で死亡、父は夢の世界へ囚われの身となった。
それからも関わった友人や教師などが、悉く何らかの理由で死ぬもしくは夢魔の被害を被っていた。
やがて忌子として扱われ、周囲から敬遠されるようになった。
それを受けた南は、自分がこうなった夢魔に対する憎しみは勿論のことだが、次奪われるものは何だろうという恐怖と既に持つもの、これから持つものは全て守らなければという使命感に苛まれた。そこから排他的な性格になり、より孤立化が加速することとなった。
どこからも見放され、ホームレスに近い生活を送っていると、とある槍術の道場を開く「松宮」という人間に拾われその道場で生活することに。初めは松宮を始めとした道場の人間に噛みついていたが、やがて心を開くようになり現在の性格に近くなった。
彼は松宮を「一生かけても恩を返しきれへんとんでもない人」と評する。
また、彼は松宮を「松宮はん」と呼ぶ。そのままである。
だが、今の精神はやや松宮に依存している節もあり松宮が死亡するなどすれば精神が崩壊する可能性もあり得る。


【SV】「ども、『一万年に一度のイケメン』こと南 淳弥と申しますー!名前だけでも覚えて帰ってくれるとありがたいですー。」
「これは師匠のネタがおもんなかったんやない。ネタの使い所を誤った俺が悪いんや。師匠、ほんまにすんません」
「自分の所業はほんまに見るに見カーネルサンダースや。ケンタッキーにしたろか?」
「そうですねぇ。この夢魔に関しては人間に対する非常に強い怨念がおんねんな。」
「これ以上俺から何を奪うんや!絞りカスに何の価値がある!」
さん (8otynze1)2023/4/9 00:30削除
【備考】追加事項
彼のパートナー的存在として、『大嶽 希一郎』という存在がいる。年齢は南の2つ下である。出会いは高校だとか。
ビビッドレッドに染めた天パで、基本髪色に合わせた赤のパーカーを着用。ズボンはモノクロのチェック柄。
急な用事とプライベート以外は基本行動を共にしている。
冷静で、あまり感情の起伏は大きくない。
基本的に南に対するツッコミ役といった立ち回りである。なかなか毒のあるツッコミをする。
本人のメインウェポンは脇差サイズの日本刀。戦闘力は南には一歩見劣りするが、そこそこ強い。
例:南「おお、フランスにも通天閣あるんか!」大嶽「淳弥さん、あれはエッフェル塔です。あなたの目は節穴か何かですか」南「いいや、あれは誰がなんと言おうと通天閣や」
南「乳首ドリルに刺されたんなら『すな!』って言えやぁ!ノリ最悪やなぁ!」大嶽「淳弥さん、攻撃喰らいながらギャグかませんのあなたくらいですわ。価値観を押し付けんであげてください」
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月見さん (8otwbwdy)2023/4/8 23:25 (No.56229)削除
【名前】
Nomides・Fortude(ノミデス・フォーチュード)

【性別】


【支部】
イギリス

【年齢】
32歳

【役職】
戦闘員

【武器】
1,ワルサーp99
装填数16、射程距離60m
普段はサイレンサーをつけず、コートの内ポケットに入れている

2,銃剣
銃の種類はリー・エンフィールド。先端にスパイク型の刃が付けられている。
装填数10、射程距離約900m前後
刃渡り190mm、全長1320mm

3,ナイフ
左スニーカーの先、右袖の裏に隠し持っている小さなナイフ。
非常時に使う。


【容姿】
身長174cm、体重66kg
シルバーブロンドのミディアムヘアー。青い瞳の吊り目をしている。
黒いベールをつけており、目が隠れている。
動きやすいよう、灰青色のシャツワンピースにカーキ色のスニーカーを着用している。
しかし、それでは浮いているように見えるため、黒いトレンチコートを纏っている。
また、ビリヤードのキューケースを常に担いでいる(中に銃剣)。


【性格】
感情の起伏があまりなく、常に物静か。静かすぎて、見てみると基本寝ている。動作もトロイ。
何に対しても熱意がなく、全てを諦めたような雰囲気を醸し出している。
しかし、戦闘となると一転する。スイッチが入ったように動きが苛烈になる。
単独行動はするは、問題発言はするはで、一気に問題児になる。
確実に殺すと言った激情が目に宿るものの、感情の起伏がないのは変わらない。

常に死にたいと思っているが、死にたくないとも思っている。危険行動を繰り返すものの、結果生きていれば少しホッとしてしまう。


【備考】
元高校教師。
両親は道化の夢魔に、弟はブギーマンに、夫は白昼夢の夢魔に名無しにされた。
気づいた時にはもう遅く、両親は道化の残機として消費さた。夫は一度は完全に夢から醒めたものの、あの白昼夢の魅力が忘れられず、首を括った。
弟は生きてはいるものの、常にうなされており、次第に衰弱する一方である。
獏に入った時、自身の教え子の何人もが夢魔の犠牲になっていたことを知る。そこでさらに夢魔に対する思いが強くなった。

獏に入れば復讐のために己を磨いた。
3年して、道化の夢魔を追い詰めれば、道化の有用性を知った上司にトドメを刺すことを禁じられ、獏が一枚岩ではないことを知る。夢魔を絶対悪とする者もいれば、人と同じでいい者も悪い者もいるといったものだ。
そして、彼女は諦めた。復讐も何もかも。
4年目は自殺を試みた。だけど運がいいのか悪いのか毎度生き残ってしまった。
だからそれも諦めた。

好きな物:料理、睡眠、ココア
嫌いな物:物語、報告書
彼女の書く報告書はとてもふざけた内容となっている。本人としては至って真面目なのだが、上司にキレられる。だから報告書は嫌いだ。

【イメソン】
ジェヘナ

【SV】
「私はNomides。好きなことは………zzz」
「『マジキモイ見た目でやばかった。しかも逃げられた。上司にキレられた。つらたん』……これでよし」
「もう私は包丁を握れない。……料理をするには、私はあまりにも血濡れすぎている」
「睡眠は好きだ。眠っているは死んでいるのとほぼ同じだから」
「ああ……また生き残っちゃったな…」
雑。
返り血のNomidesさんです。
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雪羽さん (8oflwd90)2023/4/4 22:49 (No.55730)削除
【名前】
Alice・(Gilbert・)Carol
アリス・(ギルバート・)キャロル


【性別】


【年齢】
22歳


【支部】
イギリス


【役職】
技術開発班


【武器】
1.散弾銃
ラピッドファイア前提で作った銃のプロトタイプ。改造銃の中でも音がエグい。ついでに威力もエグい。さらには反動もエグい。自身で連射することはほぼ不可能なのでもはや意味をなさないただのショットガン。

2.静音銃
ラピッドファイアは出来ないがとにかく静音性に優れた銃。サイレンサーがなくてもほぼ音がない。勿論自身の手で改造したもの。


【容姿】
白銀の髪に、赤と青の瞳。
髪は横髪が長く、肩より下。後ろ髪は肩につかない程度。後頭部に向けて編み込みをしている。


【性格】
独り言が多く、どこかふわふわとしている。しかし、可愛いといった方向ではなく危なっかしいといった方向である。
プロトタイプの銃を壊されると怒る。本作品は壊れる前提で作っているので気にしないが、プロトタイプは改良用なのだ。
落ち着いており、感情は豊かだが荒ぶることは少ない。プロトタイプを壊されると「馬鹿!」と涙目で罵倒するぐらい。


【備考】
バニシングツインで、死んだ片割れの姿が常に傍にあるという。しかも、自身と同じように成長して。たまに何も無い空間に話しかけていることがあるがそういうことである。
彼女の瞳は水色、片割れの瞳は赤、と彼女は語る。
片割れの名は「Ace(エース)」らしい。

6歳年の離れた、仲の良かった兄を奪った、「耽美の夢魔」を殺す事を目的に生きている。
「美しいものを手に入れる」なんて、ふざけた理由で兄を奪った、その夢魔を。絶対に許さない。


【SV】
「私はアリス、アリス・キャロルです。セカンドネームは一応ありますが、忌名ですので。」
「エース、何をしているの?大丈夫、私はやって行けるから。」
「……?エースはそこにいるよ。何時も、私を見ていてくれるの。」
「見ていてね、お兄ちゃん。私が絶対、あの夢魔を殺してあげるから。」
「静音性と速射性を兼ね備えた銃を作るのは軍艦作るのより大変。つまりは今の技術じゃ不可能ってこと。お分かり?……その静音銃は連射するなって言ってるのよ馬鹿!!!」
右向きシークレット様お借りしました
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中野さん (8ogync6o)2023/3/30 22:09 (No.54930)削除
【名前】林若璃(リン ルオリ)

【性別】女

【年齢】20

【支部】中国支部

【役職】副隊長

【武器】
1, AK-12
装弾数95、射程1000メートル。
射撃モードはセミオート、三点バースト、フルオート。
いかんせん彼女が乱用するため何挺目かはわからない。いつもは背中に背負っている。

2, 長斧
黒檀で出来た柄に分厚い鋼の刃がついた重量系の斧。叩き切ったり投擲したりと用途は多岐に及ぶ。投擲すると高確率で戻って来ないため振り回して叩き切ることが多い。

3, 手甲鉤
忍者が暗殺用として使用した日本の武器。
攻撃、守り、穴掘りや壁を登ったりと使い方は多岐にわたる。
彼女は着けたまま斧を振り回したりするので近づくのはかなり危険。


力業。攻撃一徹の重量武器使い。


【容姿】
長い濡羽色の髪を高い位置でサイドテールに結び、横には耳上程の切り揃えられた後れ毛がある。前髪は眉下で一直線に切り揃えられている。
瞳は黒々としておりきり、とつり上がっているもののぱっちりとしている羨ましいカタチ。
女性にしては平坦な体つきをしているが、その代わりに男性に負けじとも劣らない筋肉がついている。本人は少しだけ気にしているらしい。
服装はぴっちりとした物が多いかと思えば急に緩めの服を着てきたりと、両極端。仕事がある時は緩い服は来ていかない。


【性格】
若干野蛮人。口論より肉弾戦。
男勝りなところがあり時たま何処ぞの不良と暴言を吐き合っている。殴り合いは「殺してしまう…」だそう。一応言い分は聞くらしい。
負けず嫌い。一人で努力するより他人と競った方が伸びるタイプ。張り合わないと面倒だと言って好きな事以外はあまりやろうとしない。
普段は荒っぽいが弱っている人は積極的に助けたいと思っており、世話焼きの母親ばりに世話を焼く。
非常に感情豊かでありよく笑いよく怒りよく泣く。元来明るい性格である。
馬鹿では、無い。
防御を一切しないわけでも、無い。


【備考】
拳と蹴りには自信がある。武器よりそれを使いたいなぁ…なんて思っている。派手にぶん殴って蹴り倒す。日本武術と中国武術を混ぜたような独特の型を使う。
なんだかんだ言いながら狙撃も出来る。割と優秀。素行以外は。
面倒臭がりの彼女でも武術と射撃の訓練だけは怠らないとか。
少々口が悪く力業を行使することが多いがそれは日本支部からの派遣員だからという説も…?
実は日本語中国語英語を使いこなすトリリンガル。弟と競って勉強したとかしないとか。そうでないと彼女は張り切らない。
面倒臭がりで男勝りではあるが家は物凄く綺麗らしい。机の上も。その事をからかうと顔面に拳が飛んでくる。
下記を忘れようと中国に帰化、中国名を取得した。
誕生日を祝われると複雑な表情をする。


(漠になった理由)
とても優しい母親、厳しくもユーモアのある父親、仲の良い弟。彼女は理想のような家庭で育った。
彼女が十四歳になる誕生日。両親と弟と共にプレゼントを買いに行った帰り道、両親は目の前で通り魔に襲われた。その事件は酷い物で、通り魔は何度も、何度も切りつけ、刺し、また通行人を襲った。
まだ十歳の弟を庇い両親が事切れていく様を見た彼女は怒り、悲しみ、また決意した。弟は絶対に私が守り、一緒に生きていく、と。
その後一年、辛くとも幸せに弟と暮らしていたが、その弟も夢魔によって名無しとされてしまった。
唯一の家族であった弟を名無しにした夢魔を殺すべく、中国に飛び漠に加入した。中国語は弟と競って勉強していたので。負けず嫌いからではなく自主的に努力をしたのはこれが初めてだった。


日本に居るとその事を忘れられないから、と中国へ渡ったのだとか。


【SV】
「私は林若璃、好きに呼べ!」

「狙撃ィ?私は殴りに行きた……はいはいわかりましたよもう…」

「よっしゃてめぇ私に喧嘩売ったな?買ってやろう。」

「ふはw…やっぱ面白いなぁお前!だーい好きだよしよしよしよし(撫)」

「は~~~⁉⁉知らねーー私に防御を求めるな前線は私が切り開く!!」
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雪羽さん (8oflwd90)2023/3/30 00:54 (No.54831)削除
【名前】
藍原 蛍(アイハラ ケイ)


【性別】



【支部】
日本支部


【役職】
戦闘員

【年齢】
24


【武器】
1.大太刀(無銘.130cm程)
3尺(90.9cm)を超える反りの強い太刀の特徴を持つ刀剣の事を総じて大きな太刀、として大太刀と呼ぶ。別刀剣と比べ腰に帯刀するには長く、大きすぎる為基本的には背負われる。

2.忍者刀(45cm程)
反りの一切無い刀剣。直刀とも呼ばれることがあるがそれに比べ短いことが特徴。忍が忍ぶ際に持っていることもあり、短い。また、反りが無いのは侵入用であるため。壁に立てかけ、鍔に足をかけ、高く飛ぶことが出来る。


【容姿】
黒髪黒目、髪はやや長め。
表情はあまり伺うことが出来ないが、結構感情は動く。ただ表情筋がニート決め込んでいるだけで。
しかし、刀を抜くと一変、狂ったように笑っている。怖い。
服装も黒に統一されていて、極めつけは黒の革手袋。
シルバーのクロスピアスをしている。


【性格】
ある種、トリガーハッピーのようなものとも言える。刀を抜けば性格が変わる、とまで言われている。普段は温和な、落ち着いた青年。しかし、戦闘となり刀を抜けば狂ったように笑い出し、どちらかが動けなくなるか刀を納めるまたはその手から離すまで刀を振るう。
書類仕事は苦手で戦闘において壊した物の事後処理時にいつも倒れている。


【備考】
元々片親であったが、その親も夢魔に襲われ帰らなくなった。故に、夢魔の事を強く憎んでいる。
また、抜刀時の性格の変化はある種の防衛本能である。
優しき憎しみに囚われた少年は、優しき姿と憎しみに囚われた姿とを意図的に使い分ける。
優しき少年に、夢魔を斬ることは出来ないから。憎しみに囚われた少年に、集団行動は出来ないから。


【SV】
「ん、俺は藍原蛍。ただの戦闘員。」
「2振りとも無銘だよ、業物なんて使えないさ、こんな戦いに。」
「なあ、お前か……?返せよ、俺の……俺の母さんを……なぁ?」
「あっはは!!ほら、逃げろ?逃げな?じゃないと、死ぬぜ?ほら、ほらほらほら!!!」
「こう、ばっと抜いてさっと振るってしゅっと納刀するのかっこよくね?…………え?わかんない?なんでだよ!!!」
キミの世界メーカー様お借りしました
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雪羽さん (8oflwd90)2023/3/29 23:24 (No.54823)削除
【名前】
Noe・Legrand
(ノエ・ルグラン)

【性別】


【年齢】
30

【支部】
フランス支部

【役職】
副支部長

【武器】
1.長距離狙撃銃(PGM 338.通称ミニへカート)
超音速の.338ラプアマグナム弾を使用し、正確な弾薬の種類や環境条件に応じ1,200〜1,500mの範囲を有効射程とすることができる。(ウィキペディア参照)

2.両刃剣(2振り)
自らの羽織る外套に隠れる程度のサイズの小さなもの。正直、正面先頭は得意では無いため申し訳程度に持っている。

【容姿】
青灰色の髪が毛先に向けて白くなっている。右目を覆い隠すような髪型をしている。全体的に髪がふわふわしており、寝癖などがよくついている。
瞳は青がかった緑のようにも、緑がかった青のようにも見える。左目側に泣きぼくろがある。かけている眼鏡が無ければ視力が死んでいるがコンタクトレンズにするつもりは無い。
基本的に自身の身体を覆い隠すようにローブを着ており、背面側の腰に剣を隠している。銃は基本背負っており、腰でぶつかるのが邪魔くさいとの事。

【性格】
面倒臭がりでのんびりしている。しかし、用意は周到で記憶力が良い。そして口が悪い。
鳥が好きで、鳥も彼に集う事がある。たまにスコープの先に止まられて静かに怒る姿が見られる。その鳥は見事に焼き鳥になるとか……。
軍用手袋を常にしており、右手の甲には大きな傷がある。既に癒えているはずのその傷は偶に思い出したように痛む事がある。
基本的には裏方希望なのだが、よく後方に呼び出されるため舌打ちする日々。静かに資料室にいさせて欲しい。
何も無い日は資料室に居座っている。

彼が望むものは、平等。
この戦いは平等の為の必要な争いであると考えている為に、彼はその銃の引き金を引く。

【備考】
絶対的な敵対関係に疑問を持つ。
彼にとっては夢魔も人間も変わらぬものである。
愚かな人間もいれば、友好的な夢魔もいる。何が違うのかを知りたくて獏へと入った。
復讐を望んだ者、絶対的な排他主義者等の気持ちは理解できない。
他人に興味が無いため容姿のことも、出自の事も、誰にも聞かないし誰にも言わない。
自身の出自は特段面白みも無く、両親は既に他界していることのみが上げられる。

【SV】
「ボンソワール、皆様。フランス支部副支部長のノエだ。」
「何を勘違いしている。俺は前線に立ったら5秒で死ぬぞ。俺はそんな足でまといになるつもりは無い。」
「死にたい奴から話を聞かずに飛び出していけ。死にたいなら止めないが生きたいならここにいろ。馬鹿に届ける言葉を俺は持ち合わせていない。」
「残念だが……俺は狙撃兵でな。戦うことは苦手なんだ。戦いが楽しみたいなら他を当たれ、お前の希望にそうことはできない。」
「チッ……なんで俺が……あぁ、わかったわかった……行けばいいんだろ行けば…………。めんど……、」
달조각 공장 様お借りしました。
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やつさん (8o5je0jy)2023/3/28 15:14 (No.54627)削除
【名前】辻原 巴(つじはら ともえ)

【性別】女性

【年齢】19

【支部】日本支部

【役職】戦闘員

【武器】
和弓(長弓)
七尺(約212センチメートル)程の長さを誇る弓
弓は弓胎弓(ひごゆみ)を使っている 弓力は40kgほど
通常の矢の他に 鏃に毒を仕込んだ毒矢に 火矢 に 着発信管がある小さい爆弾が付いた矢を使用する

打刀
日本刀の1種 太刀より反りが浅いのが特徴である 長さは約60㎝

クナイ
日本の忍者が用いた13cm程の両刃の武器
武器の他に地面や壁を掘るといった多用的な使い方が可能である

【容姿】
身長160.4cm
髪は黒髪のポニーテール
上半身は 弓道着である黒色の上衣に胸当てを付けて 左腕に弓籠手(ゆごて)を着用している 右手には弓を引くための弽(ゆがけ)を付けている
背中に矢を収める矢筒をつけている
下半身は 左側の腰に打刀を差している
黒の馬乗袴を着用し 靴は安全靴仕様のスニーカーを履いている

【性格】
感情的になりやすく 射手にもかかわらず刀を抜き前線に出てしまうことが多い その為生傷が絶えない 特に対夢魔戦においてその傾向が顕著であり 夢魔に対する憎悪が垣間見えている
しかし 弦を引き絞って集中している時は挑発を拾わず 弓使いとしての仕事を全うする
数少ない弓の使い手であるため教えを乞う者が多いが 彼女は感覚論であるため 何も分からず終わる人は多い


【備考】
弓篭手には彼岸花の大きな刺繍が施されている
戦闘の時に限り弓道着の下に鎖帷子を着る事が多い
隼人の辻家に交流があったため隼人とは顔見知りである 刀の扱いや手入れなど教えて貰っているようだ
両親は父が他界し 母が残っているが ネグレクト気味 高校卒業後に家を飛び出し入隊
巴がよく懐いていた祖母が名無しになった為 夢魔に対する敵意が強くなったとされる


【SV】
一人称 私
二人称 〇〇さん
三人称 皆

「私は辻原 巴 一緒に仕事をする場合があれば よろしく頼む」
「我ら同胞の仇!この刃で斬り倒してくれる!」
「一射絶命 次の矢があると甘えるのでなく この矢に全てを込める気持ちでいる それが弓という物だろう?」

【イメージソング】
まにまに(r-906さん)
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小澄さん (8odffg94)2023/3/28 10:47 (No.54607)削除
【名前】Luce・Storchio(ルーチェ・ストルキオ)

【性別】男

【年齢】20代後半

【身長】190cm

【支部】イタリア支部

【役職】副班長

【武器】
1.リボルバー ー コルトパイソン375マグナム
弾は装填されている1弾しかない。理由としては『使うことが無い』から。基本懐にしまわれている。

2.ピストル型のスタンガン
威力は30万Vだそう。普段から腰に身に付けている。相手を脅す時や威嚇する時にもコチラをよく使う。

3.サバイバルナイフ
コチラがよく使うもの。目が悪いらしく遠距離戦は苦手だそう。接近戦命。手入れは毎日のように行っている為、新品のように綺麗である。

【容姿】白人らしいくすみのない真っ白い肌と、遠くからでも良く目立つネオンピンクの髪、常に柔らかな笑顔が特徴的な男。
髪 ー よく目立つピンクの髪は細く三つ編みとして邪魔にならぬよう纏め、後ろの方へ垂らしている。長さは背中の3分の1程度。彼曰く『まだまだ伸ばす』とのこと。前面は姫カットのようになっており、横の毛の幅は多めに取られている。長さは、前髪が目の辺り、横毛が頬の辺りまで。
目元 ー 外人のようにパッチリとはしておらず、少々日本などのアジア系の人に見られる切れ長な目の形をしている。と、その筈だったのだが、なんと彼の長年の他人へ向ける“愛想笑い”のせいで、現在は糸目のように細い目元へと変化してしまったようで。しかも本人はその事実に全く気付いていないので、久々に会った者に「同一人物なのか」と聞かれ、逆ギレをするということもしばしば。自分のことはあまり気にとめていない様子。因みに目の色は生気のない赤黒い色であり、開眼した際には高確率で怖がられる。
服装 ー 仕事に支障が出ないようにと、体にピッタリめの服をよく好んで着ている。基本は黒無地のタートルネックに、黒のスラックスを穿き、黒の膝までの編み上げブーツとシンプルな装い。外出時はジャケットやコートを羽織る。特に何の変哲もない。
装飾品 ー 顔や耳周りには何もつけていない。首周りには特に飾りのついていないシルバーチェーンを1本かけているだけ。 腕や指には指輪をはめており、左の人差し指に1個、右の親指に1個、中指に2個。腰には焦げ茶色のベルトをしているが、これが少し特殊。他のものより長めでプラプラと地面スレスレで垂れるようなデザイン。その先には何故か持ち手のようなものがついている。まるで犬につけるリードのよう。
【性格】寝ている人も飛び起きる様な明るくパワフルなおにいさん。(自称)細かいことには目もくれず、考えるより先に動くがモットーの力任せな脳筋。裏表があまり無く、誰にでも対等に優しく接してくれるが、目上の人を敬うという発想が欠けている。いつも彼の言動にはハラハラさせられることだろう。加えて、暴走気味、鈍感、重度のお喋り好きという要素も備わっているので、かなり面倒臭い人物。彼と関わるのは暇な時にすることを奨める。
すぐにナンパするから気を付けろ___!
【備考】
一人称:ボク、ワタクシ、おにいさん
二人称:キミ、○○サン/クン
三人称:二人称 + 達、ら
like:お喋り、居眠り、カワイイ子(男女問わず)
dislike:優しくない人
・声がとにかくでかい。よく他人の声をかき消す。 ・朝に強く、とても早起き。 ・煙草を良く吸うが、酒は全く飲めない ・暴走したときはベルトの持ち手を引っ張ると良い。 (犬か)・日本とイタリアのハーフ。母が日本人で、父がイタリア人。 ・夢魔には一応理解がある。 ・過去については一切語ろうとしない。

【SV】「やぁ〜〜!皆様〜!こん、にち、はっ!!ワタクシ、イタリア支部の副班長を務めております!(一礼)名は ル・ゥ・チェ、と申します〜!!(にっこり)お気軽に “ルーチェおにいさん♡” なんて呼んでくれると嬉しいですねぇ〜!!今後ともよろしくお願いしますよ〜!」「あんた誰って……?ったくやだなぁ〜!もー!!!!(肩叩)ルーチェに決まってるじゃないかー!ハッ……まさか夢魔に記憶を……!?(口抑)あらそうじゃないって?だったら何で覚えてないのさ。え、目が違う?そんなの気のせいだってば、生まれてこの方変わったりなんかしてないぞ!」「おやおや、また夢魔による事件ですか?本当に彼らも懲りませんねぇ……。まぁ、彼らにも彼らなりの事情はあるんでしょう、分かってあげたい気持ちもありますがね……。仲良くなれる日は来るのでしょうか?ふふ、冗談ですよ(にっこり)」「おやおやおやおや〜!!!!!そこのキ・ミ♡ これからボクと一緒に夢なんかよりも楽しいお茶会に……(以下略」

【イメソン】

ラフレシア / 吐息.

【関係募集】
ルーチェのお世話をしてくださる方(年上でも年下でも)/仲の良い同僚(男女問わず)etc.....
常に募集しています!皆さんでベルトを引っ張ってあげましょう😌
メーカーをお借りして作ったものです!
大体の参考資料です!
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さん (8ocutnfe)2023/3/28 01:10 (No.54594)削除
【名前】
Нина Алексеевна Батанова
(ニーナ・アレクセーエヴナ・バタノヴァ)



【性別】女



【支部】ロシア



【役職】支部長



【性格】初対面の相手と話すとなるとやや内気気味になってしまい、身体が硬直してしまう。
だが自身が仲間だと思っている相手に対しては非常にフレンドリーな様子を見せ、自分が支部長であることを忘れて一構成員のような振る舞いをする。

夢魔に対しても相手が余程のクズでない限り情けを見せようとするなど平和主義。

相手に一切の同情の余地がない場合は怒りの表情を見せ、引き金を引こうとするもやはり躊躇してしまう。

容姿も相まって支部のマスコットのような存在である。

_側から見れば。







『ヒャッハー!民間人拉致るテメエら問答無用で地獄行きだー!』

彼女は解離性同一性障害、すなわち多重人格である。

『天性の身体能力』を見込まれ獏に入ったは良いものの、本人の前述の性格からしてそれを活かすことなく生きてきた為、結局は宝の持ち腐れだった。

それでもなおその『才能』を見込まれ様々な仕事を受けるも、やはり幾度となく命の危機に瀕した。
そこで彼女に対する防衛反応として新たな人格が作られた、というのがことの顛末である。
脳内で会話ができるらしく、こちらの人格はДина(ジーナ)と呼ばれている。

ニーナの方とは打って変わって好戦的を通り越して最早サイコパス(ソシオパス?)の域に突入しており、彼女が殺した夢魔の屍を前に場の雰囲気に似つかわしくない笑い声が木霊する。

その異常極まりない様子を『Песня жнеца(意:死神の歌)』と呼ぶとか呼ばないとか。

あくまでもニーナを守る為に生まれた人格であるため、こんな様子でも口こそ悪いが面倒見は良い。

それは支部の仲間に対しても変わらない。
『血を見ると興奮する』から戦闘中はあんな感じなんだとか。

総じて姉貴分といった側面が強いが、やはり第一印象は大切なもので怖がられることが多い模様。


【容姿】身長168cm.体重は本人からの口から発せられたことはない。噂では50kg前後だとか。

肩ほどまで伸ばした金髪に、宝石のような透き通る青色の瞳。ロシア人にはよくある特徴だがかなりの美貌の持ち主である。

肌の色もまた雪のように真っ白である。

顔の左半分に大きな火傷痕がある。幼いころに暖炉に顔を突っ込んでしまった結果だそう。

耳には金色で少し大きめの輪っか状のイヤリングをつけている。

いつも長袖のタートルネックを着用している。毎日色が変わるようで、黒が一番多く次点でベージュらしい。

白とベージュのチェック柄のワイドパンツを履く。こちらは毎日固定。

薄い緑色のスニーカーを愛用。夢魔討伐以外の仕事の際は革靴。

並み程度にはある。

ジーナの人格の時以外は基本的に黒い革手袋をつけている。傷があるわけでもないがどこか手を見られるのに抵抗があるそう。

一件華奢な体つきだが、筋肉の密度が常人の数倍はあるので、力はボディービルダーにも引けを取らない。



【武器】組織支給のハンドガン。ニーナの時は戸惑って発砲できずお飾りと化すがジーナの際はかなりの早撃ちでとにかくぶっ放す。

刃渡り30cmほどのナタ。ジーナの時のみ使用。十分に手入れがなされており、かなりの切れ味を誇る。近〜中距離はこれでカバー。

牛刀。戦闘に直接干渉する訳ではないがジーナがお守りとして所持している。時々ニーナがそれを見つけてしまい、本気でビビる。



【備考】一人称はニ「私」ジ『俺』、
二人称はニ「あなた」ジ『テメェ』
三人称はニ「あの人、○○さん」など ジ『アイツ』
ジーナが表れた当初は、本人の意思と関係なく色々なところで出てきてしまったが、最近は人格同士でうまいこと話がついたようで双方が双方に「出てきて」「戻って」をちゃんと応えるようになった。

素の身体能力はかなりの域に達しているので、戦闘特化のジーナが体を使うとやはりかなりの戦闘能力である。



【SV】「あ、えっと…Нина Алексеевна Батановаって言います、長いのでニーナ、とでも呼んでください…」

「うん、頑張るのはいいけど無理しすぎないでね?みんなが死んじゃうのは絶対に嫌だから…」

『は?名前?そんなんどうでも良いだろうが…ったく、しゃーねえなあ、Дина Алексеевна Батановаだよ。好きに呼べや。』 

『なんでいつもそうなるんだよテメエは…分かったよ、後は俺が代わりにやるから休んどけ』
ニーナ時
ジーナ時
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部屋主さん (8o4ipuzm)2023/3/28 00:01 (No.54589)削除
【名前】
李 暁花(リ・シャオファ)

【性別】


【年齢】
14

【支部】
中国支部

【役職】
戦闘部隊 隊員

【武器】
《支給されたハンドガン》
 その名の通り。左手では反動に肩が耐えきれないため、右手で使用する。

《義手-右》
 過去の戦闘から彼女の右手は欠損しており、技術開発班によって造られた義手を取り付けている。武器……と呼べる効果では無いが、手のひらから長さ18m程のワイヤーを出し、壁や天井に伸ばせば移動・隠密・回避が可能となる。また、頑丈な素材であるため防御でも活用することができる。

《医療鞄》
 腕同様、とても頑丈な医療鞄。鈍器としての使用が可能であるが、基本的にはごく普通な医療鞄としての使用をしている。

(……まともな武器がハンドガンしかない。)

【容姿】
 黒髪・黒目の典型的なアジア系容姿。黒髪は頭上にてお団子型にまとまっており、髪が長いためサイズは大きめ。前髪は自分で切ろうとした挙げ句に失敗したため、以降そのまま。
 身長は148cmと、やはり少女であるが故に体格が他の隊員よりも小柄で、とてもではないが戦闘向きとは言い難い。……が、「ある理由」で碌な教育は受けていないため、半ば仕方なく戦闘部隊員としての採用をされている。
 戦闘部隊員でありながら役割は救護班のようなものに等しく、防弾・防刃効果付きのチョッキの下には、他隊員の見様見真似で着たスーツと比較的軽装。靴は動きやすさ重視で白のスニーカーを履いているが……やはりスーツにはそぐわない。

【性格】
 「~ヨ」「~ネ」などが語尾につく、典型的な中華キャラ。幼さもあってか天真爛漫であり、自身を受け入れてくれた(かもしれない)支部長や、義手を造ってくれた技術開発班、仲間である戦闘部隊の一同には恩義を感じており、子供ながらも必死に気遣おうとしている。……が、仲間以外の人間には気丈に振る舞っており、特に成人男性相手には恐怖心を見せることも。
 彼女は過去に人攫いによって攫われており、肉親は彼女を捜す最中にて運悪く夢魔によって名無しとされてしまい、行方も何もかもを忘れてしまっている。それでも、獏の存在を知った彼女は決死の覚悟で逃亡し、転がり込むような形で中国支部の戦闘部隊へと入隊。……しかしながら心身共に傷痕は癒えず、時折体についた痣を一人気にする様子も窺える。その上、長い間労働力にされるべく暴行され続けたが故に学力は小学生程度のものしかなく、言葉も時折カタコト。
 また、成人男性以外にも暗闇や犬も苦手である。

【備考】
 人攫いに攫われたのは10歳の時のこと。獏に入隊したのは13歳の時であったため、凡そ三年間もの間は誘拐・逃亡生活を送っていたとされる。それもあってか並の子供より頑丈な体をしており、身体能力なども抜群。(それでも他の隊員には劣る)


【SV】
「あ……えと、……中国支部の暁花ネ!よ、ヨロシク……?」
「むー。**、いつもムリしすぎネ。ワタシ、**のコトいつも心配ヨ。自分のカラダ、もっと大事してネ。」
「シブチョー!暁花、今日いっぱい人たすけたヨ!ほめてほめて!」
「……シブチョー、ハンチョー、タイチョー、みんな暁花にとっては大事大事なヒトばっかネ。暁花にもっとチカラあれば、みんなのこと……守れる?」
「うッ……!シャ、オファ……こ、怖くない……ネ……!!みんな、いる……!!暁花、まだ、一人じゃない……!!」
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月見さん (8pgrf4eo)2023/4/24 23:26 (No.57725)削除
【明日の希望にさよならを】
・Nomidesのお話です。
・随時追記します。
・人によっては気分を害する表現があります



『欠落』
なんてことのない普通の人生。いや、他の人は少し窮屈に感じるかもしれない。私の家庭は少し貧しかった。けれども、私はその生活に不満はなかった。
私は日々の小さなことに幸福を感じることのできる人間だった。そんな私だからこそ、あの家庭での日々をいわゆる平凡な人生といえるのかもしれない。
朝起きれば、母さんの作った美味しい料理をみんなで食べ、仕事に行く父さんと母さんを見送って。
二人がいない間はきちんと戸締りをして、弟と二人で学校に行って。
学校が終われば、いち早く帰って、みんなが私の作る料理を美味しそうに食べる様子を思い浮かべながら、夕飯の支度をしてあげて。
夜になれば、父さんの書斎で本を読んで、寝落ちしてしまって。
そんな、毎日だった。
人並みに笑い、人並みに学び、人並みに幸せな人生を送れた。

そんな私もついに家を出ることになった。一つ海を隔てた地、フランスに行ってより詳しく文学を学びたいと思ったのだ。
母さんはかなり反対したけれども、『学びたいものがあるのなら、学ばせてあげてもいいじゃないか』なんて父さんが母さんを説得してくれた。結局、母さんは渋々といった感じだったけれども納得してくれて、家族みんなで私を見送ってくれた。

それからの暮らしは大変だった。
飛び交う言語は聞き馴染みのない言語で、頼れる人はいない。そんな見慣れぬ地での生活。最初はかなり混乱した。
やることが多くて。学ぶべきことは思っていたよりも多く、そしてその一つ一つが難しかった。
だけど、楽しくもあった。
右も左もわからない自分にいろいろ教えてくれる友人。自分よりも遥かに優れているかっこいい先輩。尊敬できる教授。初めて運命というものを感じた人。
いろいろな繋がりができた。ここでしか紡げなかったのかもしれない絆が得られた。
そんな仲間達と協力して日々を過ごしていると卒業まではあっという間だった。
卒業するまでに嬉しいことや悲しいこと、苦しいことなど、いろいろあったけれど、どれも素敵な思い出になっていた。

卒業後はいろいろ悩んだ。
実家に帰って家庭を手伝うべきか、それとも今いる場所に留まるか。
両親に相談したが、二人は私に選択の権利があると、手短に言い放った。
正直、あの二人が『帰ってきてくれ』と頼んでくれていたらよかったのに、なんて思っていた。もし、そう頼んでくれたならば、長い間、画面越しでしか見れなかった三人の顔を、実際に見て、触れて、語り合うことができるのだ。それはとても幸せな道の一つだった。
だけど、二人はそんな簡単な考えを許してはくれなかった。
本当に、子供に対する線引きがよくできた人たちだ。
結局、私は留まることを選んだ。その選択に不満はなく、それはそれでいろいろと都合が良かった。
とても誠実で、現実を厳しい目で見ることができ、だけども紡ぐ言の葉がとても素敵な人。
もとより留まることになれば、そんな彼と二人で暮らすことを考えていたからだ。
別に彼の事を両親に秘密にしていたわけではない。二人とは彼について何度も話し、彼との交際を認めてくれていた。
なんなら、たびたび結婚の話も出ていた。
正直、気が早すぎるし、彼の前で仄めかすものだから、とても恥ずかしかった。
それに、付き合っていながら思うのはなんだが、結婚は無理だと思っていた。

彼には憧れの人がいた。
孤児だった彼を救い、新しい家族を迎えてくれた人が。
家族の話をする時、よくそんな憧れの人の話をしていた。
その人の話をしている時、彼はいつも楽しそうな顔を浮かべて思い出に浸りながら、でもどこか夢でも語るように儚げだった。
勝手な憶測だけれど、彼はその人に恋心を抱いていたんだろう。
たとえ昔の話であったとしても、その思いはいつかその人に伝えたいと思っていたのだろう。
そうでなければ、会話の後にあんな悲しそうな顔を見せないはずだ。
だから少し諦めていた。

「ノミデス、僕と……その、結婚してくれ!」
ある冬の日。それは唐突な告白だった。
その言葉を出すまで、いろいろな葛藤に悩まされていたのかもしれない。
憧れの人を追い続けるか、それとも諦めるのか。
そんな選択の末に彼は私を選んでくれたのだ。
それは、とても、嬉しかった。

結婚式は私の地元で挙げることになった。
それは両家族の相談の上での結論だった。
私の両親は、自分たちの一人娘の結婚ということで、かなり張り切っていた。
当日になって、その張り切りように驚いた。
なんと水族館を貸切にして、式場として用意してくれたのだ。
これには、私も彼も、そして招いた人たちも度肝を抜かれていた。

当日、ウェディングドレスを着た私は緊張のあまり心臓が張り裂けそうなくらいドキドキした。
それは彼も同じようで、錆びついたロボットみたいにぎこちない動きをしていた。
だけど、次第にそれも薄れていった。

幻想的な海の世界に囲まれて、ついに私たちは夫婦となった。
とても嬉しかった。そして幸せだった。
照れながらも喜ぶ彼。
盛大に祝ってくれる友人。
思い出を語ってくれる教授。
持ち芸を見せて、驚かせてくれる奇妙な道化師。
素敵な詩を読んで聞かせてくれる彼の恩人。
そして涙を流してくれる家族の二人。

本当に忘れることのない素敵な日になった。

_______ただ一つの違和感を除いて。

こんなに沢山の人に祝われているのに、"何かが足りない"という思いが私を支配していた。
何がどう足りないのか具体的にはわからない。だけど、私という存在を構成するのに、致命的なまでに必要不可欠な要素が欠落してしまっているという感覚があった。

(なんなの…この空虚感は。とても鬱陶しい。こんなに祝われているのに、私は、満足していないとでもいうの)

自分の感じている欠落感に、苛立ちを感じ、誰にもバレないよう、ドレスの上から膝をつねった。
赤く腫れ上がるまで強くつねったのに、痛みよりもその空虚感の方が勝っていた。
そんな自分に、強欲な自分に、失望してこの場にいるみんなに謝りたいと思っていた。



「ノミデス。すまない、話があるんだが」
結婚式が終わって、もうすぐ日が変わりそうな時のことだった。
いつにも増して神妙な顔つきをした父が、書斎で本を呼んでいた私に声をかけてきた。
どうやら、父さんの晩酌に付き合っていた彼は、酔い潰れて眠ってしまったようだ。
「うん、いいよ。どうしたの?」
ちょうど本が読み終わり、後は寝るだけだったため、私は父さんの話を聞くことにした。
「ああ、じゃあ、ついてきてくれ」
そう言って、父さんは私を外に連れ出した。
てっきり、酔い潰れて眠ってしまった彼の代わりに私を晩酌の相手に選んだのだと思っていた。けれども、そんな予想は間違っていた。
外は暗く静まり返っており、刺すような冷たい空気が流れていた。
父さんとの間で会話は弾まず、ただ後をついて暗い道を行く。

「父さんと一緒に散歩に行くのはなんだか、久しぶりだね」
黙々とした雰囲気に耐えられなくなり、私から話しかけた。
とりあえず、すぐに終わらないような話題を探して、子供の頃の話をすることにした。
「懐かしいな。あの時もこんな冬ごろだったっけ?あの時はもう真っ暗だったのに、父さんと雪遊びなんてしたね。……二人で大きな雪だるまを作って、母さんに写真を撮ってもらったね。……写真、もうどこにやっちゃったか分からないけれども、しっかりと覚えてるよ。……ああ、そうだ!その後3人で雪合戦をしたっけ?呑気に写真を撮ってた母さんに投げたら、カンカンに怒って、ものすごく面白かったな」
一方的に話しかける。それでも父さんはこちらに振り返らず、前に進み続ける。
私の話に無視を続ける父親に酷いだなんて思うことはなかった。
そう思うよりも、また、あの結婚式でも感じていた不快な感情が湧いてきていた。
変な感情が湧き上がることに違和感を拭いきれずにいると、ようやく、父さんが振り返ってくれた。
だけど、その顔はひどく悲しみに歪んでいた。

「……守れなくて、すまなかった!」
病院のとある一室に着くや否や、父さんは大粒の涙を流しながら、私の肩を掴んで謝ってきた。
それほど、重大なことなのだろう。しかし、私にはその実感が一切湧かなかった。
弟がいる。なんて、唐突にそんなことを言われても、困惑するばかりだった。
なのに、心の底からはあの不快な感覚が湧き上がり、全身を包んでいた。
「……は、はは……ええ?何かのドッキリ……な訳ないか……ははは、ごめん、何もわからない、や…」
招かれた部屋の中にはベットが一つあり、そこで一人の少年が眠っていた。
父が言うには、この子が私の弟らしい。
だけど、そんなことを言われても私に弟がいた記憶なんてないし、父さんの語る弟の話を聞いてとても不気味に思ってしまった。
咽び泣いて、謝り、思い出してくれと連呼する。
そんな言葉を聞くにつれて心の中で、あの不快感が大きくなる。

ベットで眠る少年の方に近づいて顔を覗いた。
それでも、もともと彼についての記憶がないのだから、何も思い出せなかった。
ただ、なぜだろう。
いつのまにか、私の目から涙が溢れ出ていた。
そこで私は理解した。
私は、絶対に忘れてはならないものの存在を忘れてしまっていたようだ。

翌日、私たちがフランスへ帰る日。
夫は酔いが完全に覚めて、元気な様子だった。
とても快眠だったようで、かなり機嫌が良かった。
対して、私は少し寝不足気味だった。
確かな理由はわからない。その時に抱いていた感情も知らない。
だけど、溢れ出る涙を止めることができず、結局あまり寝られなかった。
そんな顔を見て彼は心配してくれたが、大丈夫と、答えることしかできなかった。
母さんにその表情を見られた時は、何があったのか悟ったらしく、とても申し訳なさそうな表情を私に見せた。
どうやら、弟のことは私以外の家族全員が知っていたようだ。

空港へは母さんが見送ってくれた。
父さんはいなかった。おそらく、今もあの病室で彼が起きるのを待っているのだろう。
ここ数日、実家で体験したことはとても楽しかった。
だけど、素直に喜んで帰ることはできなかった。
確かに、私は弟の存在を知らなければならなかった。
あれは、父さんと母さんだけが抱え込む問題ではない。私たち家族が抱え込まなければならない問題だった。
ああ、でも。
こんな気持ちになるのなら、弟がいるなんてことは知りたくなかった
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さん (8oibczah)2023/4/1 01:00 (No.55053)削除
『Foolish!』
※例え話は嘘ではない。何故なら決して起こらなかった事柄を述べているのだから



”何か”が手に入るかもしれない。そう思ったから掴み取ろうと手を伸ばそうとしたのだが。
「……いいや、やっぱりやめよう。」
今この幸福をジェンガの様に崩したいという単純な好奇心が芽生えていたのだが。……それでも、それだけは”駄目”だと思った。
塔を積み上げる事は時間も労力もかかるが、崩壊させるのは手間のかかる工程を入れずとも一瞬で出来てしまう。確かに崩れる様は面白いと感じはするが、直ぐに呆気無い瓦礫へと成り果ててしまう。それを友人相手にしたくない惜しがる思いが今しがた生じた好奇心よりも強い。それはつまり例え刹那の間でも僕を友人だと言ってくれた彼への情を予想以上に抱いていた事。その事実に我ながら驚きを隠せない。
……まあ、彼の幸福を見届けるのも悪い事では無いか。
人の幸せな顔を見るのも、悲嘆を見るのも感情を抱くという点においてそう大差ないと思っていた。けれど何故だか彼には笑顔の方が似合っているからこそ、幸せでいて欲しいと願っている。
「嗚呼、そうか。」
どうしてそのような結論に至ったのか。暫し熟考すると心当たりに見当がついた。
「少しだけ,、似てたのか。」
容姿は違うとも僕に生き方を教えてくれた人の影を見たような気がした。
周囲から疎まれ迫害されていた僕に対して友だと言ってくれた彼に。
僕が、名前を奪ったその人に。


XXX


「結局、誰かにとっての理想は都合の良い妄想にしか成り得ないか。」
パタン、と唯一つの椅子に座っていた男はページに記していた文字のインクが乾かない内に退屈そうに本を閉じる。そうして一切の温度を感じない広大な空間を見渡すと軽く溜息をついた。
現実と乖離する程、人はそれを夢と呼ぶ。それは人と同じだけの知能を有する夢魔もきっと同じである筈。
そう思って誰かが望んだ幻想を自分なりに想像しながら、物語のようなおあつらえ向きの展開を軽く書き連ねたのだが。思った通り酷く出来が悪い。
「英雄も救世主も。大多数が思い描く理想を成すからもてはやされるだけか」
そんな空想の偶像は夢魔という怪物相手には慈悲を与えてはくれない。悪は倒され、正義は勝利する。そんな勧善懲悪の枠組みに収められた美談を人々は望んでいる。このように悪人が改心する話も皆無という訳では無いがそれでも悪が打ち滅ぼされた時に感じる爽快感と高揚感は得られないだろう。
一時の幸福。一時の悦楽のために人を消費する。人が食事のために生物を消費する事とそう対して変わりは無い行為だというのに、そのような生き方だけはこの世界は許してはくれそうにない。
「きっと僕は何かを一から作るよりも観測者の方が肌に合いそうだな」
夢魔は何かを生み出せない。だからこそ空の器を埋めようと人の夢を喰らって空虚から逃れようとする。その器を壊すも壊さないも人の自由でありそれに抵抗するのは夢魔にとって立派な権利である。うん、有り得ない空想をかたるよりもそのような群像劇の方が余程面白くなるだろう。
__ああ、そろそろ1人の夢魔の考えだけを言い連ねたそんな長話に退屈して来た頃合いか。
でもそれぐらい許容して欲しい。今日だけは、愚か者の馬鹿げた空想話に付き合う事もそう悪くは無いだろう?
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月見さん (8ognnt31)2023/3/30 17:01 (No.54883)削除
【芽吹】
・Sylphのお話です
・残酷な描写があり、気分を害する恐れがあります。
・フィクションです、書いた人はやってません。
・これをネタにキャラを作って貰えると喜びます


世界に産まれて右も左もわからなかった頃、トネリコという夢魔に拾われ、世話をされた。彼女は弱い立場の孤児を救うべく、たった一人で孤児院を運営していた。

“自分達、夢魔は強い。だから弱い立場の者を救うことが大切だ”なんて、口癖のように私に言い聞かせていたけれど、そんな彼女の個人の主義や思想などどうでもよかった。
それよりも彼女の語る物語が好きだった。彼女の美声と独特な語り方は私を含め孤児院の皆の心を動かした。気づけば、私は物語のことが好きになっていた。

昼頃。私は、一人教室に篭って、筆を走らせ罫紙を埋めていた。
他のみんなは外の広い庭ではしゃぎ回っている。
別に、いじめられているとかシカトされているとかではない。
みんな、愚かにも私に優しく、気を遣ってくれていた。ただ、私はその気遣いが嫌いだった。
私は彼らと同じ種族ではないから、距離を置いていた。しかし、彼らはそんなことを知らない。だから、私のことを輪に入れようとしてくれていた。
何も知らない癖に。
無知は嫌いだ。関わりたくもない。つまり、私の個人の主義思想のため一人でいた。

「あら、シルフ。何を書いているの?」

気づけばトネリコが膝を折って、私の耳もとで囁く。少し驚いて、筆を変に動かして文字が乱れてしまった。

「物語です。先生に負けないぐらい素敵な物語を書こうと思って……」

書きかけの罫紙を腕で隠して、素直に答えた。まだ完成していない、立派とはいえない拙い感性で描いた未熟な世界を彼女にみせるのは、なぜか彼女に負けを認めてしまう気がして見せたくなかった。

「見せたくないか……なら仕方ないか」

トネリコはとても優しい夢魔だった。だから、そんな私の仕草を見ては、詮索するのを諦めた。しかし、だからといってこの場から去るのではなく、私の目の前の席に座った。

「ねぇ、シルフ。みんなはあなたの事を心配してるの」
「心配?何をです」

唐突にトネリコはこの場にいない奴等の話をし始めた。意味がわからず、少し激しめの口調で言ってしまった。

「あなたが誰一人とも心を開かずに、ここに籠っていることよ。……ジョゼから聞いたわ。あなた、部屋でも紙に向かって筆を走らせているそうじゃない。……熱心なことはいいことよ。……だけど、何枚も何枚も、途中で書くのをやめては、誰も読めないように塗りつぶして、ビリビリに破り捨てるのは、見てられないわ」
(……ジョゼめ、余計な事を…。)

ジョゼはルームメイトだ。孤児院の中でも女の子たちの中心的な人物で、いつも私のことを気にかけてくれる。だから一番嫌いだ。しかし、全部が全部嫌いだと言うわけではない。ジョゼは詩が好きだ。部屋では自作の詩を私に聞かせてくれる。15歳とはいえ、大人顔負けの豊富な感性をしており、とても素敵な世界を見せてくれる。そんなところが好きで、羨ましいかった。
先生はとても心配そうな顔を浮かべて、私の顔を覗き込む。私はその行為がバレたことに少し焦って、でも不貞腐れたようにむすっとした。

「みんなと一緒にいないのは……私は他の人と違うからです。…‥…紙を無駄にするのは……あなたやアダムのように素敵な世界を描けないからです」

アダムは昨年、独り立ちした青年だ。作家志望であり、現実的な思考をしている。だけど、そんな現実の中でも少しの幸せを噛み締めて、それを自らの世界に落とし込んで素晴らしい物語を紡いでいた。先生は彼のことを応援しており、時たま部屋に招いては彼にアドバイスをしてあげることもあった。
私の答えに先生は声を詰まらせた。彼女もおそらく疎外感というものを経験したことがあるのだろう。私の返事を噛み締めて「そう」とだけいった。どうやら強要はしないらしい。だけれど、どこか残念そうな雰囲気を漂わせていた。

「紙を無駄にするな、とまでは言ってないのだけれど……う〜ん。素晴らしい世界を……物語を作りたいかぁ……。そうだ、じゃあ、ついておいで」

しばらく考えた後、先生は立ち上がる。そうして手招きして教室を出て行った。
どこに行くのだろう。何を思いついたのだろう。と疑問に思い、私はついていくことを選んだ。
さっきまで書いていた罫紙を塗りつぶしてから、筆を机に置き、ビリビリに破いてゴミ箱の中にまとめて捨ててから私も教室を後にした。



「ようこそ。私の部屋に」

トネリコの跡をついていくと、管理人室、つまり彼女の部屋に着いた。ジーパンのポケットから鍵を出して、開錠する。そうして、彼女に言われるがままに部屋の中に入った。
室内は2階まであり、中には自分の背の2倍、トネリコとほぼ同じぐらいの背丈の本棚が、上に四段、横に縦に何重も重なって並んでいた。そのため、部屋の中にある家具といえば、引き出し付きの机と寝るようであろうソファと衣類が収納されたタンスしかなかった。
そんなまともに暮らせるとは思えない部屋に圧倒されて、私は固まっていた。いったいどれほどの世界がこの部屋に凝縮されているのだろうと。

「ふっふっふ。どうだい、シルフ、すごいだろう。私の友人……同胞に色々な本を持っている人がいてね。面会する時に譲り受けていたらこの規模になってしまってね」

自慢げに話す彼女は見ていてとても楽しそうだった。同胞。ということは同じ花の夢魔だろうか。まあ、そんなことはどうでもいいことだ。
説明を受けてシルフは、同時に納得した。彼女やアダムがなぜ素敵な感性で物語を語れるのか。素晴らしい世界を描けるのか。それはこの量の本を読み、感性を立派に育て上げたからだ、と察した。同時に、悔しく思った。自分はまだ何も知らない。読んだ本の量もこの部屋の量には到底、及ばない。だから、とても悔しくて下唇を無意識のうちに噛んでいた。

「私やアダムはここで物語の素晴らしさを学んだんだ。だからアダムは作家という夢を手に入れた。そして、夢にかなり近づくことができている。……だからさ、シルフ。君もここを活用しなよ。そして、アダムみたいに私に君の物語を見せておくれ」

それから、何度も何度もトネリコの部屋を訪れては本を読んだ。どの物語も私では想像もできないほど素晴らしい世界を内包しており、ページを捲るたびに新鮮な香りを堪能することができた。
そして、気づいてしまった。
トネリコは私たちに一度もオリジナルの物語を語っていなかったという事を。彼女の語るものは、本の中から抜粋した物語だったということを。それに気づいて、少し失望してしまった。
だが、これは大きな絶望の始まりに過ぎなかった。

ある夏の日だ。その日も私はトネリコの部屋に訪れた。
その日、彼女は友人に会う用事があったため、孤児院を留守にしていた。そのため、部屋の鍵はあらかじめ渡されていた。
いつものように、本棚から本を取り出して、ソファに座って読み進める。5年も続ければ600ページの本など3時間程度で読むことができるようになっていた。

読み終わって、本を畳んだ時、机の引き出しに目がいった。

(私とトネリコがこの部屋にいる時、彼女はいつも、机に腰掛けて、引き出しを見せないようにしていたっけな…)

いけないとは、分かっていた。しかし、誰も見ていないし、気づかれない。
もし知られたとしても、魔が刺したと言えばいい。
短い葛藤の後、鍵穴に部屋の鍵を差し込んだ。思った通り、引き出しの鍵と部屋の鍵は同じものだったようで、簡単に開けることができた。
中には塗りつぶされ、くしゃくしゃになった罫紙が何枚も入っていた。



ああ、やっぱり。あの人は嘘つきだ。
希望を与えるだけ与えておいて、結局私を失望させ、裏切った!!
あの人の描く世界は全て何かの模倣!!何かを頼りにしなければ、何もできないじゃないか!!語ることも、作ることも、世界を広げることも!!!!
あの人も私と同じだ……何も変わりはしない!!
オリジナリティが欠落した、人形だ!!右見て倣えをする付和雷同の愚か者と何ら変わりないじゃないか!!
結局、私たち夢魔は人間のように素晴らしい世界を、素敵な物語を描けないじゃないか!!



罫紙を全て読んだ私はただ、ただ先生への、トネリコへの怒りと憎悪が入り乱れたドス黒い感情に包まれた。
衝動のあまり、殺してしまおうかとさえ思った。
だが、私の理性はそれを良しとはせず、何とか身をとどまらせた。
しばらくして、冷静さを取り戻した。そして、とりあえず引き出しを漁ったという証拠を隠すべきだと思い至って、罫紙をまとめて引き出しに直し、鍵をかけ、トネリコの部屋を後にした。

しばらく、何をするにしても、一切気力が湧かなかった。だが、惰性でトネリコの元へは通っていた。有り余る殺意を押し殺し、愛想笑いの仮面をつけて、気づかれないように。

そんなある時、アダムが帰ってきた。どうやら彼は自らが築き上げた物語で何らかの賞を取ったらしく、自慢げにトネリコに話していた。トネリコはそれを自分のことのように喜んでいた。空白なのにも関わらず。
そんな二人の様子を見て、私は思い至った。
人間を一から育てて、その間に自分の持つ知恵や感性を与えれば、夢にまで見た素敵な物語を自分の代わりに書いてくれるのではないか、と。
事実、アダムはトネリコの応援に応えて、見事、素晴らしい世界を描き、大衆に認められた。

それからは簡単だった。

自分の力については、産まれ落ちた頃から感覚は掴んでいた。一人で教室に籠っていた頃には確信していた。トネリコの部屋で学び始めた頃には理解していた。
だから。だから、私はトネリコになろう。
彼女になって、彼女のように見知らぬ子供を育てて、彼女のように他人の物語を饒舌に語って、彼女のように狡猾に導いて見せよう。彼女のように、紡いでみせよう。物語を描く人、というものを。

私は知っている。物語を描けないと知った絶望を。彼女の絶望を。
きっと彼女は心の底では絶望しているはずだ。自分は何も作れないことに。そして今、アダムを見て確信したはずだ。
だから、今までの、感謝と尊敬を込めて楽にして見せよう。憎悪を込めて殺して見せよう。



作った物語を見せたい、なんて言えばトネリコは裏庭まできてくれた。
私を見つければ嬉しそうな笑顔を浮かべてのこのこと近づいてくる。本当に無防備で、笑い出しそうになってしまった。

「シル……フ…!?なん……で」

手を後ろに回して隠したナイフを彼女の胸に突き刺した。
とても信じられないといった風に目を見開いた。そして、がくりと姿勢を崩す。
そんな彼女を片手で抱えてやって、反対の手でナイフをより深く突き刺した。

「……おやすみなさい。私だけは、あなたのことを絶対に忘れません」

この時の私はどんな表情をしていただろう。無表情だったのか、憎しみの表情を浮かべていたのか、やっと殺せたと笑っていたのか……はたまた、泣いていたのか。詳しいことはもう、覚えていない。だけど、なんとも言えない感情があったことだけは覚えている。

「……ああ……ご、めん……なさ、い……シ、ルフ」

トネリコは身体を小刻みに揺らしながら、左手を伸ばし、私の頬に触れた。
最期に、私が引き出しの中を見たことを悟ったのだろうか、何かに納得した風に息を漏らす。
一言、それだけを告げると、だらんと左手が落ちた。私の腕の中でトネリコは、恩人は、裏切り者は息を止めた。

それからはなんの悩みもなかった。トネリコとして振る舞って、物語を教えて、触れさせ、作らせた。受け入れた子供たちはみんな私の作家になった。だから、なんの惜しみもなくあの場所を去ることができた。



ただ一つ後悔していることは、私が育った場所を、あの孤児院を、トネリコを埋めた庭を燃やさなかったことだ。
今あの場所に行けば、確実に怪しまれることだろう。
だから、切に願う。
トネリコの死体を苗床にして、新たな生命が芽吹かないように。
誰も、私が与えた眠りを、掘り起こさないように。
或る木の胴吹き
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雪羽さん (8oflwd90)2023/3/30 13:10 (No.54861)削除
【いつかの、昔の話】
「みんな元気だなぁ、どうせ何をしたって無駄なのに。」

夢魔の仲間達が、人々を襲うらしい。
らしい、というのは自身はあまり興味が無いから。
理解はできず、共感もできない。ならば、考えても無駄だろう、というのが彼女の考え。

しかし、何もしていなくとも『夢魔』というだけで復讐の対象にはなるようで。
ある日、誰かの獲物の恋人が自身に襲いかかってきた。


「いったいなぁ、何の用事?私、君のことなんて知らないし、何もしてないんだけど。」

「お前だって夢魔だろう!なら、全部、全部一緒だ!夢魔は全員死ねばいい!」

彼女は呆れた。あぁ、これは愚かな考えなんだな。それを理解し、この感情を『呆れ』であるということも理解した。観測した。

「人を襲う存在も、私みたいに何もしたことが無い存在もいるよ。ほら、仲良く…」

「煩い!どうせ、どうせ!夢魔なんてみんな人の言葉を話すだけのバケモノだ!理解しようとするだけ無駄だろう!」

驚いた。と、同時に。『確かに』、と彼女は納得した。納得してしまった。理解し合えない事は薄々勘づいていた。
共存することが難しいことも。

「事実観測、しちゃったや。そうだね、私達の話す言葉は欺く為のもの。」

「認めたか、バケモノめ!」

「だから、君は。……私が襲う、最初の人。…なんてね。たくさん、遊んでね。新しい名無し君。恨んで、憎んで、そして……愛して。新しい感情を教えてくれてありがとう。それじゃあ、バイバイ。」









「……てことで私は人を襲い始めたんだよね〜。」

意味あるの?と問う友人。そんな事、答えは分かりきっている。

「だって、人の言葉を話すだけのバケモノだよ?意味なんて、あるわけないじゃん。」


彼女は今日も、害のないような笑みを浮かべ、愛を、憎しみを、感情を探し求め暇をつぶす。
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瀬川さん (8o4zsbww)2023/3/30 12:05 (No.54855)削除
【マラカイト・グリーン】




(音楽を愛している。声楽、器楽、金管、弦楽器、種別問わず全ての音を愛している。

音楽は私の全てだ。

音楽はずっと側にあった。感情を音に乗せて奏でることが大好きだった。指のひとふり、声の出し方一つで顔を変える音楽たちが愛しくて堪らなかった。

私の音を聞いて、人が目を輝かせるのも愛おしかった。人と夢魔の差などそこにはなかったし、人を甚振る同族どもを軽蔑さえしていた)


「ラファ、それもういい。飽きちゃった。次のお歌は?」


(────軽蔑していた、のだけれど。

正直なところ、彼女に関しては眠らせてしまっても良いのではないかと思うのだ。
思うだけで、しないけれど。彼女にも家族がある、帰る家もある。

コーヒーブラウンの長い髪を切り揃えた、齢10、11の乙女。マラカイト・グリーンの鮮やかな瞳をして、いつも大人の女みたいにつんとしている彼女。まるで蝶のような君。

彼女は名を名乗らなかった。ただ私の名前だけを聞いて、声楽家だと聞くと「ならなにか歌って」と強請る。お代はお高いチョコレート一粒。
休日の午後、陽も照らさない劇場の跡地で開かれる閑散としたコンサート。これで7回目)


「君、なぜいつも私のところに来るんだい?すぐ飽きるのに」

「あなたの声が嫌いだなんて言ってないでしょ?曲が好きじゃないの、曲が。もっとお花みたいな曲が聴きたいわ」

「そんなことを言われてもね……」


(────私が彼女に歌う歌は。

暗い日曜日とまではいかないけれど、お世辞にも明るい歌とは言い難いものばかりだ。心臓に触れるような、首筋に冷たい指を這わせるような、隣人の緊張で形作られている。
聴いた人のこころに炎をけしかけるように。音そのものを研ぎ澄ませて歌うのだ。

明るい歌を歌ってやれば良いのだろうけれど、この時の私は意地が悪かった。毎週毎週飽きもしない乙女に飽いて、彼女が暗い歌を嫌がって来る足を止めてはくれないかと────端的に言うならわざと暗い歌ばかり選んでいた)


「ねえ。私大人じゃないけれど、あなたの客よ。なにも悪いことしてないわ、ただの常連じゃない。……それとも、あなた、歌を金貨にだけ振る舞うつもりなの?」

「う……」

「……あなたの声、好きなのに」


(この場で、いつも裁き手は彼女だった。

彼女は小さな女王様だったのだ。言葉の切れ味は落ちることもなく、私の薄暗い自尊心を暴き立てた。
子どもと相対して、ただひとりのために歌う。そんなことは本当なら、ずいぶんな僥倖だというのに────彼女が幼いからと、手を抜いた。

マラカイト・グリーンの目をした乙女は、透き通ったこころとどこまでも突き抜ける芯を持っていた。
彼女は紛れもなく、私と対等な客なのだ。大人の方が子どもに気付かされるとは、なんとも情けない。

どうしようもなく噛み締めた苦い味を飲み込み、よし、と頬を叩く)


「それじゃあ、今日は一曲。来週からは君が喜んでくれるような歌を用意しておくから、楽しみにしておいで」

「ふふ、やった。ラファ、約束よ」

「────うん。約束だ」


(空には、鮮やかな赤色が迫っていた。
今日の終わりは、彼女が満面の笑みを浮かべてくれるような、そんな一曲を。


花と蜂蜜、それから陽の光とまるい羽の小さな蝶。陽だまりで仔猫と一緒に目を閉じる。

────そんな、この世界のやさしい光を全て詰め込んだ歌。
彼女はじっと聴き入って、大きな拍手を私にくれた。


八回目はもっともっと楽しくなるはずだ。
そう思った。

そう、思っていた)






(八回目は来なかった。彼女は昼になっても姿を見せず、おやと思って首を傾げた。


その日はひどい大雨だった。
湿った黒雲の中、目をつく雷が響いていた。

きっと雨だから来ないのだろう。来週、来るはずだ。それまでに歌を、もっと仕上げておこう)


「────来ない」


(あの子が来ない。名も知らぬ、正確な年齢さえわからない彼女。わかるのは少女であること、達観した子であったこと、それからあの、マラカイト・グリーンの瞳)


「来ない……」


(あの子が来ない。私の声を好きだと言ってくれた彼女が来ない。
女王様みたいに話す、大人びたあの子。ミルクティー色のワンピースがお気に入りだと笑っていたあの子)


「────、来ない」


(どこにいるのだろう。心配だ。

私のことを、嫌いになってしまっただろうか。それとも親に怒られて、ここには来られなくなってしまっただろうか。

いやそうか、そうだ。彼女はまだ少女だ。いくらこのあたりで音を生業にしているとはいえ、男と二人きりでは心配にもなるだろう。

そうだ、そうに決まっている。
この悪寒は、気のせいに決まっている)







「エリーゼなら、車に轢かれて死んでしまったよ。いい子だったのになぁ」








(ここに来る途中、彼女は車に轢かれたらしい。

雨の中、視界も悪く、車は滑って止まりきれなかった。彼女は、それで、それで)


「エリー、ゼ」


(彼女は、チョコレートと花を抱えていたらしい。とろけるほど甘い、高級なチョコレート。一粒ではなく、二粒。

添えられていた花は紫色のフリージア。花言葉、は、確か。


彼女の墓前は静かだった。
私の声を愛してくれた乙女は、儚く脆く死んでしまった。

死んだのだ。
死んでしまった。


彼女は、もう二度と)


「エリーゼ、すまなかった。帰っておいで。君に聞かせていない歌があるんだ。たくさん、練習したんだよ。きみのために、たくさん……」


(聞かせたい歌があるんだ。
言いたいことがあるんだ。

軽んじるような真似をしてすまなかったと、もし許してくれるなら、私と友人になってほしいと。

聴いてほしい歌が、あるんだよ)


「もう一度、呼んでおくれ、エリーゼ……」






(声楽家は、やがて捻じ曲がっていった。

少女に聞かせたかった歌は歪み果て、いつしか彼女たちの声を求めるように変わってしまった。

あんなに儚く壊れてしまうくらいなら、この手の中で朽ちることなく。


いっそ永遠に、私と共に)



『こんばんは。君はとても、素敵な声をしているね』



(────あの子にそっくりだ)
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部屋主さん (8o4ipuzm)2023/3/29 21:24 (No.54778)削除
(※R-15程度のショッキングな描写があります。)

【Missing Memory】

 ……私は。

 私は、夫が心底憎かった。
 リストラされてからと言うもの、彼は何をすることもなく家でだらけるだけ。元の関係に戻りたくなかったと言えば嘘にはなるけれど、もう戻れる見込みがないのは互いにわかっていた。
 限界を迎えた私は衝動的に彼の後頭部を酒瓶で殴りつけた。

 彼は、呆気なく死んだ。

 目こそ合ったけれど、それでも彼が抵抗することはなかった。
 酒で意識が朦朧としていた?
 殺すまでの時間が一瞬だった?
 私に殺されるのをわかっていた?
 どれにしても遅かった。もう取り返しなんて、つけられようもない。

 私は、血を流して倒れる夫を捨て、遠い地へと向かった。
 警察に捕まることが何より恐ろしかった以前に、早くあの家を、夫を忘れてしまいたかった。いっそ頭が記憶ごと千切れてしまえばいいのに──ホテルでそんなことを考え、その度に私を薄いカーテン越しの朝日が嘲笑った。

 “夫殺しの殺人鬼”──その肩書きを消すため、私はもう一人の人間を手にかけた。たまたま横を通りがかった女性の口を掴んでは、何度も頭を叩きつけて殺した。筋力もあったことからか時間こそかからなかったが、私はまた別の街へと向かった。

 消したい。消したい。消させろ。

 あるときは老婆を手にかけた。
 何も考えずに吞気にしているのが悪いんだ、と川へ突き落とした。

 あるときは幼児を手にかけた。
 母親を探し求めて鳴く声が、酷く癪に障った。

 あるときは中年の男を手にかけた。
 私を口説こうとしてきた嫌らしい目を抉りたくなって、やめろと叫ぶ声さえも耳障りになった。

 あるときは若いカップルを手にかけた。
 早く逃げろと叫んだ男から殺した。近くの路地裏に逃げ込んだ女も、後から鈍器で殴り殺した。

 気がついた頃には23人もの人間を殺し、私は“夫殺し”から“極悪な殺人犯”として成り下がった。
 別に、だからと言われて何も感じることはなかった。もう肩書きに拘りなんてなく、人々が次は我が身かと震えるその姿を横目に眺めただけだ。

 そしてまたあるとき、公園で酒を飲み、寝そべる男がいた。
 その男を見た瞬間、自分でさえ尋常でない程の殺意と破壊衝動が私の背を押し飛ばした。周りには誰もおらず、私は酒瓶を持ち、大きく振りかぶった──のだが。

「っ……!?」
「……おいおい、仮眠を取ろうとしてたってのによぉ。新手のナンパか何かか?最近の嬢ちゃんは積極的になったモンだなぁ?」

 ……腕で頭を守られ、殺し損ねた。
 顔も見られた。反応速度からして、逃げられる可能性だって高い。警察を呼ばれる前に、早く口封じとしてでも殺さなければ──!

「まぁまぁ、んな怖い顔すんなって。……ナンパだってなら、ちょっくら構えよ?なぁ」
「い゛ッ、ああああ……!?」

 立ち上がった男に一瞬で距離を詰められれば、芝生の上に押し倒される。夫以外の男にこんなことをされるのは久しぶりだが、相変わらず屈辱的以外の何物でも無い。まるで虫の標本のように酒瓶を持った私の左腕を刺しても尚、男は笑みを浮かべる。……虫唾が走る。

「おっと、“したがる”割に“される”のは嫌か?そりゃ失礼。生憎俺も、こうして嬢ちゃんみたいな奴を相手にするのは久しぶりでよ、勝手がわかんねぇんだ。」
「あ、なた……、」

 ──“貴方、慣れていますよね?”
 すぐにわかった。勝手がわからないと言いながら、ここまでの行為に一切躊躇いも手間取りもなかった。慣れてる上に、すぐに急所を突かないところから私よりタチの悪い男ということもわかる。……が、問い詰めようにも刺された腕が痛い。ナイフを刺されていない方の腕は男の片足で踏みつけられ、抵抗しようにもそれさえ許されはしない。

「さぁて、嬢ちゃんは敢えてすぐには殺さずにしておいてやりたいんだがなぁ……何にしてやろうか」
「……嫌ですよ、撲殺だけは。」
「安心しな。俺だって撲殺は嫌いだよ。……まぁ、殺し方の話じゃないんだがなぁ。」
「なら、何の──」
「“お楽しみ”ってヤツさ。……さぁ、もう嬢ちゃんは眠ってな。」

 次の質問を遮るかのように男が目を覆い隠したその時、ブツリと私の意識は途絶えた。

***

 そして、気がついた瞬間には手術台のようなものに拘束されている。……一体なぜ?いつから?それ以前に、ここは何処だ。

「へぇ、嬢ちゃんは“動けるヤツ”か?気分はどうだ。ここは何処で、何する施設だと思う?」
「……こっちか聞きたいですよ。なんでわざわざ手術台のようなものに?」
「なるほどなぁ。……嬢ちゃん、割としっかりしてんな?」

 “動けるヤツ”とは何の話?それ以前に、質問が変だ。見ればわかるはずなのに、なぜ勿体ぶるかのように?……否、あんな相手に常識的な思考があると考える方が無駄か。

「聞きたいことは沢山あります。なぜ私をここに連れてきたのかだってそうですが、腕の傷が塞がっていることも、なぜあれに反応できたかもです。」
「まぁまぁ、そう急かすなよ。俺が教えたい順で教えてやるよ」

 質問を捲し立てる私に、男は悠長に答えた。

「まず1つ。嬢ちゃんの攻撃に反応できたのは、単純明快。俺はあの時、完全に寝ちゃぁいなかった。俺自身も驚いたが、うたた寝ってヤツだ。嬢ちゃんのおかげで目は覚めたけどな。」

「次に1つ。嬢ちゃんをここにわざわざ連れてきたのは、俺の趣味ってヤツさ。……なぁに、警察には突き出さねぇさ。安心しな。」

「最後に1つ。嬢ちゃんの傷だが……実は、塞がってない。」
「……は?」

 ……塞がっていない?
 であればここは何だ。あの世?それとも病院?にしては周りに治療器具らしき物なんて何もない。

「そして……嬢ちゃんには、今から俺の趣味に付き合ってもらう。……ま、嬢ちゃんみてぇな奴なら察しはつくか?」

 男が取り出したのは……何だ?金槌?

「なぁ嬢ちゃん、『カリギュラ効果』って知ってるか?」

 男は、歪んだ笑みと共に私の頭上へ金槌を振り下ろした。

***

「……おーい、嬢ちゃ~ん? 今日、掃除してたらこの前の“アレ”見つけちまってよぉ。他の奴らで遊ぶのも飽きたんだ、折角だし今日は──……っと?」

「おーおー、派手に漏らしちまって……そりゃそうか。嬢ちゃんは、他の奴とは違ってハッキリ見えるもんなぁ。」

「……んー?もしかして、とうとう壊れちまったか?……そりゃあ残念だなぁ。嬢ちゃんみたいな根っからのイカれ野郎は、中々気に入ってたんだがけどなぁ?……。」

「……おいおい、マジで壊れたか?なら、本当にしょうがねぇ。」



「嬢ちゃんには、“仮のカラダ”をくれてやる。いつか、体を探しにでも俺のところに戻ってくるんだぞー?」





「……じゃなきゃ、俺が迎えに行くからな。」
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月見さん (8ocpj03u)2023/3/28 11:26 (No.54608)削除
【先生と途切れた約束】
・Davidと孤児院の先生のお話です
・フィクションです
・ところどころおかしい表現がありますが、どうか悪しからず


先生は不思議な人だった。

容姿端麗で、常にどこかに消えてしまいそうな儚い雰囲気を纏っていた。例えるなら森の妖精みたいだった。妖精のように大人と距離を取るということはなかったものの、あまり関係者以外の人と関わることはなかった。
そのため僕は幼いながらも、もったいないと思っていた。そしてある時、みんなの前で不躾な質問をしたことがあった。
『先生には好きな人はいないの?結婚はしないの?』
先生は僕の質問に少し驚いて、でもすぐに柔らかい笑みを浮かべて答えてくれた。
『結婚はしないよ。だって、私は他の誰よりもこの場所が好きだし、君たちが好きだからね』
情緒が幼かったこともあって、先生の答えは僕たちを喜ばせた。そうして「僕も好き!」「私も好き!」「あたしは大好き!!」とそこら中でラブコール合戦が始まって、先生をとても喜ばせたことがあったな。
話を戻すと先生は、僕たちを見捨てて、顔が良くて収入の良い男に嫁ぐことが容易にできたのにも関わらず、僕たちを愛してくれた。

また、先生は博学才穎でいろいろなことを知っていた。
物語を読み聞かせをしてくれる時は基本、本を一切見ずにしてくれた。先生の読み方は独特で眠気を誘われるのはもちろんのこと、さらにはまるで登場人物が生きて飛び出してきたかのように演じてくれた。
また、年上の子に分かりやすく勉強を教えていたことがあったし、近くの大学の生徒が先生に教えを請うていたこともあった。
特に記憶に残っているのは植物に詳しかったということだ。散歩に連れて行ってもらったときだった。僕は公園の池の側にぽつんと咲いた黄色い花をじっと見ていた。
『あれはスイセンだよ、デイビット。その花弁のラッパで春になったことをいち早く伝えてくれるんだ。』
突然、優しい声で先生が話しかけてきた。振り向くと先生は僕の目線に合わせるように屈んでいた。
『スイセン。……でも先生、僕にはスイセンのラッパの音が聞こえないよ』
恥ずかしながらこの時の僕には先生のように素敵な感性を持ち合わせていなかった。だから先生の言うことに違和感を感じて、首を傾げて聞いたものだ。
『ふふふ。聞こえないか……でも、デイビット。ほら』
少し残念そうに、でも笑って宥めるような声色でスイセンの近くの盛り上がった土を指差した。しばらく見ていると、突然土が盛り上がり、カエルが飛び出してきた。
『冬眠していたカエルさんが、ラッパの音を聞いて起きたみたい。……デイビット、今は聞こえないだろうけれど、大きくなったら、きっと聞こえるさ。』
この時の僕はカエルを羨ましく思った。スイセンの音を、僕が聞けなかった音を聞いたから。そして、僕は早く大きくなりたい思った。その夜、僕は夢を見た。不思議と今でもはっきりと覚えている。夢の中に先生はいなかったけれど、確かにスイセンのラッパの合唱を聞くことができた。起きてから何度も、何度も先生に言った覚えがある。思い返すと本当に恥ずかしいけれども、その時の先生の笑顔は今までのどの笑顔よりも優しかった。
こんなふうに先生は素敵な感性と自身の植物の知識とを絡めて僕に、この花はいつ咲くのか、花言葉は何か、この花の構造はこんな形をしているかこんなことをしている、といろいろ教えてくれた。

そんな不思議な先生に僕は憧れを抱いた。同時に夢を描いた。先生のように知的になりたい、自分の世界を深めたい、先生と物語を語り合いたい、と。先生はそんな僕の夢を誰よりも応援してくれた。
一度、決心すると後は簡単だった。人並み以上に本を読み、人並み以上に物事を覚えて、人並み以上に計算能力を高めた。4年後には、僕は名門の学園に編入することができた。

ーーーーーーーーーーーーー

「ねえ、デイビット。あなた、今日暇?暇なら一緒に帰らない?」
「ごめん、約束があるんだ。また今度」
デイビットは帰る準備を済ませると矢継ぎ早に教室を出た。
今日は彼にとって特別な日。いわゆる誕生日だった。
誕生日と言ったものの孤児であるデイビットは本当の生まれた日を知らない。
彼にとっての誕生日は孤児院で受け入れられた日であり、先生に名を与えられた日でもある。
クロッカス。先生だけが知る先生が僕にくれた名前。この日だけは先生は僕のことをデイビットではなくクロッカスと呼んでくれる。
しかし、今年はそれだけではなかった。先生は僕にだけ先生のみが知る特別な場所に連れて行ってくれるらしい。
僕はそれがなによりも嬉しかった。今日、先生は僕だけを見てくれるのだ。
待ち合わせは最寄りの駅で時刻は18:45。現在は18:20。駅までは歩いて30分。このままでは遅れてしまう。
連日の寒波で路面は凍結し、交通機関は渋滞を起こしている。もしバスを利用したなら歩いた場合よりも時間をかけてしまうだろう。
なら答えは一つだった。

「……すい、ません、遅くなりました」
僕はとにかく持てる力を全て使って駅まで走った。待ち合わせ場所に着いた時には息も絶え絶えで、露出した耳が冷たい空気に勢いよく触れていたため、とても痛かった。顔が猿みたいに真っ赤になっていたことだろう。
そんな僕に先生はすぐに気づいて駆け寄ってくれた。
「いいや、ほぼピッタリだ。謝ることはないよ」
先生はいつもの柔らかく、温かい笑顔を向けてくれた。そして僕の顔を見るなり、先生は自身が身につけていた耳当てを僕に貸してくれた。
「ありがとう、ございます」
息を整えて、時計を見る。現在は18:45、23秒。23秒も先生を待たしてしまった。
「…だけど、先生の時間を数秒でも取ってしまうのは___」
「ああ、うん、いいよ。君の口上を聞くのが一番の時間の無駄だしね。」
僕は申し訳なくなって、改めて自分の非を謝罪しようとしたが、先生が遮った。
そうして先生は、僕の右手を掴んで、電車のホームに引き連れて行った。


現在は20:50。辺りはもう真っ暗だ。
夕飯はわざわざ先生が僕のために弁当を拵えてくれていた。先生の料理はかなり久しぶりに食べる。相変わらず、先生が作った味だなと思った。とても美味しい。これが故郷の味というものなのだろう。

「どこに行くんですか?」
三度目の乗り換え時に僕はふと聞いてみた。
「着いてからのお楽しみさ。どうしても気になるなら当ててみるといい」
先生ははぐらかした。
その後、僕は思いつく場所をいろいろ挙げていった。どれも的外れのようで、先生は首を横に振りながら、だけど柔和な笑みを浮かべて楽しそうにしていた。

22:00になった。
町外れの駅に着くなり先生は僕に目隠しをつけさせた。痛くないように、でも取れないようにキュッと固定して。そして、先生は僕の両手を引いてどこかに連れて行く。
「さあ、もういいよ。布を解いて、上を見てごらん」
「わあ……」
先生が合図をして僕はようやく目隠しを外した。
そこはキャンプ地だった。周りは開けているものの、あたりには木々が乱雑に生えていた。想像とは180度違っていて何のロマンもなかった。しかし、先生に言われた通りに上を向くとそこには思わず息を呑んでしまう光景が広がっていた。
走って駅に着いた時に空を覆っていた雲は全て消え失せており、満点の星空を拝むことができた。それだけではない。緑から赤へ怪しげにゆらゆらと輝いているものもあった。オーロラだ。
本でしか見たことがない光景をこの目で今見ている。写真と現物は迫力が違い、あまりの凄さに思わず感嘆の息を漏らしてしまった。
「ハッピーバースデー。おめでとう、クロッカス」
「ありがとう…ございます、先生」
先生はしてやったりと言った意地悪な笑みを浮かべていた。そうして、先生だけが知る僕の名前をようやく呼んでくれた。
いろいろな温かい気持ちで心が満たされる。そのおかげか、冷たい空気にさらされた肌は温もりを帯びた気がした。あまりの温かさに限界を迎えたのか冷たい涙が目尻から逃げ出そうとしていた。
さらに、先生は丁寧に包装された箱を懐から差し出した。
「これは……」
先生は笑って開けるように促した。
指示の通り、僕は丁寧にその包装紙を取った。中から親指の先から小指の先ぐらいの長さの桐箱が出てきた。
先生の顔を見れば、うんと頷いてみせた。
そうして、開ける決心をして箱を開けた。中には側面に“David・Crocus”と僕の名前が刻まれたペンが入っていた。
「万年筆さ。いつかクロッカスが本当に作家になれた時に使ってくれ。……そして、いつか私への物語をそれで書いて、読み聞かせてくれ」
先生は内側のポケットから自身の万年筆を取り出して、おそろいさ、と口角を上げてみせた。
この時、僕はついに先生に認められたのだと思った。
そんなことを考えると、ついに目元のダムが決壊してポロポロと涙を落とした。
嬉しい。それだけだ。その感情だけが僕の心を支配した。
「約束、します!必ず、あなたに負けじとも劣らない世界を紡いで見せます!」
そう、答えた。涙を拭い、勢いよく。
僕はきっと諦めないだろう。先生の背中を追ってここまで気を抜かず、頑張ってきたのだ。いや、諦めてたまるものか。
しかし、まだ何か足りないと思った。
少し考えてハッとする。そして僕は先生に小指を突き出した。
「指切りをしましょう!」
「……ふふふ。クロッカス、君はいつまでも子供だね。いいとも、約束だ」
先生は僕の言葉に、鳩が豆鉄砲を食ったように呆気に取られたようだ。少し固まって、噴き出すように笑った。そうして、いつもの余裕を見せるような笑みを浮かべて僕の小指に自身の小指を絡めた。
こうして僕はようやく二度目の覚悟を決めた。
絶対に先生に追いついてみせる。そして、先生が僕だけの名前をくれたように、僕も先生へだけの物語を紡いでみせると。
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中野さん (8oavsym2)2023/3/26 23:31 (No.54464)削除
【Attention】
・最高に散文駄文でございます。ご容赦を。
・Eyes視点の街角のお話にございます。


《街角の機械人形》

黒い天鵞絨のような夜空に銀の月が浮かぶ。
人々は忙しない日常にこの美しさを目にも留めない。なんて嘆かわしいことでございましょう。
行き交う黒足は私のことを隠してくださいます。異質な金属音に気づく方など居りません。立ち止まっても、ぶつかってきては嫌悪の目を向けるだけ。私が夢魔だということなど解りはしないのです。

「今夜も素敵な夜でございますね。」

独り言を呟いても同意の意を示してくれる方は一人とておりませんでした。一人でもいらっしゃったら今夜はやめにしようと思っていましたのに。

人は不幸なものですね。
美しく綺麗に映るモノを忙しいから等と言って見逃してしまう。現実とは辛いモノです。出来ることならずっと夢を見ていたい、そう仰る方々を何人もこの瞳で、レンズで映して来ました。

人指指と親指で、額縁を作る。
これは人の人生を覗き見ることの出来る素敵なモノでございます。その方の歩んできた、暖かみに溢れた素敵な人生を垣間見ることが出来るのです。まぁそれは、その方からしてみれば辛くて放棄してしまいたいような茨の道かもしれませんが。

私が対象に選んだ方は孤独な方でした。
家族、というものに飢えていて、孤独を忘れる為に仕事に勤しんでいらっしゃる悲しい方。孤独の中にある妬みや嫉み、ふとした時の優しさに対する涙など。大変美しゅうございます。

『い"っ…あぁ"…⁉』

これだけが欠点なのでございます。
私が陶酔するように人生を眺めてしまうとその方は耐え難い頭痛や不快感に苛まれるようなのです。甘い夢には対価も必要ということなのでございましょうか。

このように苦しんでいらっしゃる方が居ても誰一人気に掛けない。なんて冷えたモノでしょう。この方をこんな冷えた街から暖かい夢の世界へ誘うのです。忙しない日常で孤独を忘れる必要もない、自分の好きな事の出来る夢の中へ。

「どうされましたか、苦しゅうございますか」

雑踏を掻き分け歩み寄り、彼の頬に手を滑らせます。私が能力を解いたのでもう苦痛は無いはずですが、ぐったりと力が抜けてしまわれました。

「もう大丈夫でございますよ。…存分に楽しんでくださいませ。」

いい夢を。
辛い現実に縛り付けられる必要など無いのです。私が解き放って差し上げましょう。

栄養を採っておられなかったのでしょうか、随分と軽い体躯を気遣いを装って抱えて私の住まいへ連れて行きました。私の住まい…と言いますか、夢の世界にいらっしゃる方々の住まいでございます。私はここで暮らしている訳ではございませんからね。

寧ろ私の身体は栄養を採る必要も睡眠をとる必要も無いのです。ですから住まいを定める必要もありません。しかし人間の真似事をするのはとても楽しゅうございます。入浴…は無理がありますが、その他は真似て楽しんでおります。

…さて。アンティーク調の大きなベッドへと彼を横たえます。ベッドが沢山並び、人が横たわる光景は異質かもしれませんが、私はここが大好きなのでございます。美しい夢の世界で存分に人生を謳歌していらっしゃる方々が沢山いらっしゃるのです。此処は。
思わずきゅい、とピントを合わせシャッターを切ってしまいます。

「大変美しゅうございます。どうぞ、甘い夢をお楽しみくださいませ。」

聞こえるはずもありませんが、スカートの裾を摘まんで、お辞儀を致します。慇懃無礼、なんて言われますが、礼儀を重んじているだけでございます。

__午前零時。月も一層輝いて参りましたね。
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やつさん (8o5je0jy)2023/3/26 22:17 (No.54456)削除
※残酷な描写がある場合があります









〘辻家代々の太刀〙


「ここから一歩も出させはしない…仲間の仇だ!」

鯉口を切り 太刀を鞘から引き抜く 白銀色の薄く刃紋を映す刀身が姿を現し 柄を両手で持ち 構える 辺りには共に戦っていた仲間の骸と形見とも言える配給品の武器が散らばる 仲間と自身の血で生まれた血の海で 己の敵を見据える 戦で沸き立つ脳裏に霞む 古き記憶 経験が走馬灯のように解かれてゆく

__________________

「隼人 お前は辻家の跡取り さすればこそ代々受け継がれる物を教えねばならん よいな?」

「はい、おじいさま」

19歳 自分は祖父に呼び出され 家の縁側を2人で歩き 道場の方へ歩く 山の中にある屋敷を 涼しい風が通り抜けてゆく

「隼人 時にお前は辻家の始まりはいつ頃かは知っているか?」

「はい、確か鎌倉時代 元寇を退けた褒美で武士になった御先祖様が居られて それが始まりと」

「そうだ、鎌倉時代から南北朝 戦国時代に激動の昭和を耐え忍んだのが我々一族」

道場の床の間に ひとつの刀掛けが置いている
鞘に一筋の刀傷があり 家紋の細工が施された太刀が乗せられていた

「我が一族の家宝 御先祖様を救ってきた太刀よ」

祖父が刀掛けから 太刀を持ち上げ隼人へ歩み寄る

「言い伝えによると 賊に襲われた御先祖様を この太刀が独りでに動き 鞘で賊の刀を受け止めたそうだ それがこの傷と言われている」
「嘘か誠か 鬼を斬り捨てたともな」

「そのような刀のこと…どうして今教えてくださったのでしょうか?」

自分はそう祖父に問う 祖父は表情を固くして口を開く

「そうだな…今でないといけないと儂が感じたからというのもあるが…お主も19 良い歳だ 家督を継ぐ為に 知っておくべきと思った迄」

なにか誤魔化すように そう言葉を絞り出す祖父を見て 自分は追求するのは野暮と感じて その話に首を縦に振る

「当主は 刀を持って…先祖に対し 自身の信じる誉を誓わなければならん」

祖父は鞘を掴んで 刀を自分の前へ持ってくる

「受け取れ」

「はい、おじいさま」

刀を受け取り 暫く立ち尽くす 何より驚いたのは その重さであった

「これが、刀の重さ」

「戦場で実際に人を斬り捨てたとされている 人の命を吸った刀だ 隼人 覚えておく事だ この重さが人の生死を分けられる力だということを」

「肝に銘じます」

「それなら良い…さ、抜いてみよ」

鞘と柄を掴んで 刀を引き抜く 白銀色の刃を夢見心地に自分は見つめている

「その刀は先祖代々の物 お前を見守り お前を守る その刀お前に預ける 大事にすることだぞ」

「はい、おじいさま……!」
___________________

走馬灯のように駆け巡った記憶を通り抜け現世に意識が戻っていく

血吹雪が舞う 敵と見すえた夢魔の身体を袈裟斬りにし 血の気が引き 血の海に沈む仲間の仇を見据える

刀を片腕で頭の上から下に振り下ろし 刃に付いた血と脂を振り落とす 血振いをしてから 肘で刀を挟み込んで刀を拭きあげて 鞘に刀を納める

「…皆 先に極楽で待っててくれ」

「…したためた遺書が無駄になったか」

そう言いつつ 作戦を終了したという連絡をしに 無線機を掴み ボタンを押した
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さん (8o6qkq38)2023/3/25 10:17 (No.54209)削除
【Ladies and Gentlemen】
・Jackの日々の活動内容など 
・途中で能力を使用する描写があります!直接的に能力の使用を宣言した訳ではないので探してみてください。
・文章力が無いので、変な描写があるかもしれませんが、大目に見てもらえると……

***
──ビックベンの鐘が鳴った。それは1時を知らせていた。

星が燦々と輝き、満月が地上を照らす。寝静まった夜のイギリスの街に"彼"は居た。
コツコツと足音を鳴らしながら優雅に歩くその男は、たった今人間を一人、夢の世界に誘った後だった。

──ビックベンの鐘が鳴った。それは0時を知らせていた。

男1《そんでさぁ、あいつは酔ったまま、家に帰ったもんだから、かみさんにこってりしぼられたってよw》
男2《うへぇ、あいつんちのかみさんは美人だけど、怖えからなぁ…。あいつも良く結婚出来たもんだ。》
男1《俺はこっちだからな、またな〜》
男2《おうよ。また明日〜》
(二人の他愛のない、日々の会話、それがお互い最後のの会話になるとは思ってもいなかったであろう。正確には、記憶が消えるだけだから、最初からそんな奴はいなかったと処理されるのだろうが…)(Jackは男1に声をかけた)
「あの、すみません。とある場所までの道を伺いたく…」
《何だ?なるべく手短に頼むよ。》
「はい、それは……貴方の死に場所ですよ…」(記憶から消されるだけであって、死にはしないが、忘れられれば死んだも同然だ。)
《は?あんた何言ってんだ?俺の死に場所?ちょっとあんた大丈夫かい?》
「えぇ、私は真剣ですとも。」
《すまない、俺じゃ君の力になれないようだ。何せ俺はまだ死ぬ気は無いのでね。》(男は早急にその場を立ち去ろうとしたが、Jackは去り際に一言放った)
「ロンドンは霧が多いですからね。帰路はお気をつけを。」
(恐らく立ち去る男の耳には届いているだろう。焦燥感からか、男の歩調も心なしか、速まっていく)
「残念…逃してしまいましたね…」
(立ち去る男に一言聞こえたこの声が男を安心させた。)
《何だったんだ。あいつは…》
「私ですか?」
(男は心底驚いた。振り切ったはずの男が自分の家の近くの路地で現れたのである。厳密に言うと幻覚が解けただけで、最初の会話した路地から一歩も動いてないが…)
「私はJack。貴方を夢の世界にご招待。」
《夢の世界?やめろ、俺に近づくな!》(Jackは止まらない)
「良い夢を…」
(……今日も一人、夢の世界の住人となった。)

──ビックベンの鐘が鳴った。それは1時を知らせていた。

「夜は…まだまだこれからです。」
(男は霧の中に消え、夜の闇に身を投じた。高笑いが響いていた。)

男の命の蝋燭は、別の棚に運ばれた。人々同じように並ぶことはない。命の炎は消えないが、その炎は、闇の中にポツンと灯るだけ。

空が夢に覆われて、月を隠し、太陽を隠す。夜明けの来ない星空に、男は何を望んだか。終わることのない夢の中、星の数の人々は、何を思って眠るのか。

今日もこの世界は、日が昇る。
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部屋主さん (8o4ipuzm)2023/3/24 22:34 (No.54182)削除
【!!注意!!】
・あくまでifストーリーです。
・フランスの治安や秩序が最悪です。
・やっぱり胸糞

***

《胴枯れ聖女に花束を》

 ──“支部長の座を降りて貰う。”

 国のため 私のため
 そう言い訳づけられた命令一つで、私は彼らを護るための盾を失った。

 元からわかっていた。世間から見て、私の行いがどれ程に恐ろしく映るかなんてことは。
 病にかかり蝕まれていく葉のような髪色、今にも枯れて朽ちかけてしまいそうな声、『悪しき存在』に手を貸す奇怪な言動……それら全てが、彼らからしてしまえば『魔女』そのものであったのだろう。不安は根を張り、やがては人々の心を蝕み、疑いようのない事実という日の光さえも覆い隠し、腐らせていく。
 不安が有頂天に達した群衆達の行動は日に日に過激さを増していき、聖域さえも灰燼に帰さんと燃え上がった。無論、火の手は私にも迫っていた。……否、始めから小さく燃えていたのだろうか。
 燃え盛る炎は、私の全てを焼き滅ぼしていった。ようやく得られた信頼を、仲間を、何もかも。

 そして──私が愛した『聖域』さえも。

 燃え盛る屋敷を見た私は、その場に立ち尽くし、唖然と絶望の雨に打たれる事しか出来なかった。例え中にいた彼らが全員逃げられ、今も密かに暮らしていたとしても、あの場所は穢れた国内の中にある数少ない『神の領域』であったのに。

 彼らが本物の神であれば、群衆は彼らへの畏敬のもと、このような惨劇を起こすことはなかったのだろうか?
 彼らが本物の神であれば、この聖域は焼き滅ぼされることなく永劫に現存していたのだろうか?

 嗚呼、嗚呼……何故、誰も目を向けることをしなかったのだろうか。
 彼らはもっと知るべきだったのに。何故こんなにも草花が狂おしいと思えるのか。誰がこの世界の平穏と安寧を保ってきたのか。それらに目を向けることなく、自分にとって慣れ親しんだ都合の良い虚妄に惑わされた先が、こんなものだなんて。

 私を安らかに苦悶の死へと導くはずであった百合の香りも、気高く朝露の真珠で着飾る薔薇の煌めきも、今やもう何処にもない。色褪せ、灰の中へと埋もれていく様を、何も知ろうともしない盲目の愚者共如きに見せつけられるのは、こうも惨めなものなのか?

「……神よ。どうか、私にせめてもの慰めを与えておくれ」

 鎖鎌の冷たい刃が、胴枯れた首に宛がう。……嗚呼、もし私がこの手を引けば、私の首はさながら枯れ木のように折れてしまうのだろうな。
 草花は、自然は、彼らは、常に高潔だった。彼らもまた同じだ。誰の助けを乞うこともなく、それでもただ強かに咲き続けた姿を私は誰よりも知っている。
 だからこそ、人間が如何に脆く、醜いのかも知っている。それもまた美しさだと人は語っていたが、このような惨状を目の前に、遂にその希望は打ち砕かれた。

 結局……始めから、私を信じていた人間は手に握る程も居なかった。



 鎌を持つ手を引き、倒木していく様が見えた。その木は実に脆く、醜く、ひたすらに愚かであった。
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さん (8o6i62r3)2023/3/24 21:47 (No.54177)削除
『Happy anniversary』



グリルしたチキンにオーブンから取り出された出来たばかりのラザニアやサワーオニオンディップ等が並べられたダイニングテーブル。それらを美味しくいただいた後にお出ましした2つの火を灯されたバースデーケーキ。
今まで財力を持った人々が己の自己顕示欲を示す豪華絢爛なパーティーばかりに招かれていた僕にとっては、この光景ささやかなものではあるがそれでも1つの家庭にしては充分な程のものだと納得しているし、寧ろ此方の方が好ましいと感じている。
だって何よりも幸福に満ちている。1つの場所に集って同じ物を食する。人と過去を語り合う。人と場所が変えるだけでこうも違って来るのかと少し驚いているくらいに。
食事を拝借する中で見た彼の横顔はとても幸せそうだった。多分、今まで見た中で一番の笑顔かもしれない。今まで長い間人と関わって生きて色々な経験をしたと自負していたがこれ程真近で観測する事が出来るのはもしかしたら初めてと思えるぐらいの程に。
それもそうか。だって今日はあの子の誕生日。生まれてくれた事を喜び、生きてくれた事を嬉しく思い、これからの未来が良い物であれと願う日。そんな人生でも数える程しかない出来事に招かれた事を、それぐらい親交を深められた事を僕は光栄に思っている。うん、今日という日を忘れないようにしないとね。




___だからこそ、興味が湧いてしまった。社会で賞賛されるような理想の家族。人が追い求める理想の幸福。その家族(ピース)が欠けたら、一体どうなるのかを。
最初から絵画や彫刻といった芸術品が好きだった。僕には到底真似できない手法で、魂を燃料にして、己の信念をもって生み出した傑作は何度見ていても僕を飽きさせる事は無い。
だけどその一方で、一度完成された作品が崩れて欲しいと願う自分がいた。いや、正直言ってそう願っていた。完成された物が壊れるとどうなるのか。綺麗な物は崩れ落ちる瞬間まで綺麗なのか。
それと同じ想い。その幸福を失って欲しく無いと思うよりも、壊したいと望んだ。ただそれだけの事。






***







「ごめんね、起きてる?」
あの子に渡しそびれた物があるからもう一度会いたいと伝えた所、これから眠る所なのだと少し難色を示されたが最終的には了承してくれた。
「えーと、パパのおともだち…?」
先程言われた通り眠そうな顔で目を擦りながら恐る恐る此方に近づくも、家族相手では無いからか何処か不安そうに見える。
家族の、友人たる彼の幸福を壊すと決めた時。その対象は妻か娘の何方かか、あるいは両方にしようと多少なりとも考えた。それでも結局の所、招待状はこの子(娘)だけに贈ると決めた。
「そうだよ。君に僕からもう1つ渡す物があったのを忘れていた。」
「わたしに?」
「うん。」
キョトンとした顔をしながら無垢な少女は、腕に抱えていた兎の縫いぐるみと僕を交互に見た。
「このこのほかに、わたしにくれるの?」
「その通り。だからほんのちょっとだけ、目を閉じてくれないかな?」
「う、うん!」
少し不安そうだった顔が一変してわくわくとした様子で目を瞑るだけで無く、更に手で目を覆う仕草を微笑ましく思う。そうそう、人生は誰でも一度きりだ。何事も楽しむ余裕を持っていないとね。
「___では、良い夢を。」








***







「今日は招待してくれてありがとう。」
「ああ。”忘れ物”はもうないか?」
「うん、大丈夫。」
夢の乗客は世界から忘れ去られる。例えそれが家族であろうと、今この隣にいた者であったとしても、無慈悲に平等に。現にこの言葉が先程の言動と矛盾していることに不信を抱く素振りすら無い。
「今日は来れて良かったよ。君達”2人”の家に招かれるのは久しぶりだったから、ちょっと緊張したな」
「あら、そんな事を言って。そういうようには見えなかったけれど?」
「いや?仲の良い君達の邪魔にならないか心配だったよ」
「そのような事は無いさ。今日も僕達のために空けてくれたんだろう?」
そういえば今日は珍しく仕事が入っていなかったからこそ呼んでくれたのだっけ。
「相変わらず仕事で忙しそうだな。」
「確かにね。来週にはイギリスで開催されるオークションに呼ばれていて、その為に向こうに行かなくてはいけないから。…また君に会えるのはしばらく先になると思うよ」
「そうか。ならまた会う時に話を聞かせてくれないか」
「展覧会や宝石の話、とても面白かったの。また此処に来て欲しいわ」
「喜んで。その時は素晴らしい料理をお願いするよ。」
…言葉にしながらこの口約束は守れそうにないなと思うと、少しだけ申し訳ないと思う。彼女の手料理も美味しかったし、彼と友人でいられた時間も良いものだった。少しの間ではあったがその輪の中に入れたのは僥倖だった。僕にとっては、それだけで十分過ぎるものなのだ。
「じゃあ、僕はこれで失礼するよ。」
「ああ。」
最後にもう一度だけ彼らを見る。これから会えなくなる上に人の顔を覚えるのが苦手な僕はその姿をしっかりと覚えていないと次会う時の感動が味わえない。
「また、会える日を楽しみにしているよ。」
本心から。本当にそう思っているんだよ。






***






「9つの命を持った猫でさえ、好奇心でそれを失うか。」
あの日以降、彼らには直接出会ってはいないがその動向は逐一観察していた。
空虚を抱いた。娘がいたのだと気付いた。何か手はないかと模索した。喪った者を取り戻したいと願った。神に祈った。2人で手を取り合って生きようとした。それでも彼女は喪失感に耐えられずに身を投げた。死の淵から戻った対価として彼女は記憶を失った。彼だけが取り残された。彼一人が残されてしまった。深い孤独に苛まれた。それでも、彼は生きると決めた。
なるほど、そう言えば人という者は僕が思ったよりも強靭な時もあれば脆弱な時もある存在であった。彼女は脆弱であったからこそ死を望み、彼は強靭であったからこそ生にしがみついた。
「大丈夫、君は愛されているよ。」
それこそ命をなげうつ程の愛。それぐらいの物を与えられていたという事実を少し羨ましく思ってしまう。
今回は得るものはあったが、その代償に僕は友人を喪った。大丈夫、でも別にそれは初めてではないからそれぐらいの事で動揺はしない。
ただ少し気になる点があるとしたら彼が獏として活動を始めた事。つまり彼は夢魔の存在を知ったという事だ。もしかしたら、僕の正体に気付いてしまったのかもしれない。夢魔として認知されてしまったら、もう友人として見做してくれないか。その事が残念だと思う反面、獏として彼自身が会いに来てくれるかもしれないという可能性を思うと少し嬉しくなる。
互いに積もる話もあると思うけれど、それはその時になったら考えれば良いだろう。今はただ再会を果たせることを。それを願っているよ。
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部屋主さん (8o4ipuzm)2023/4/2 00:23 (No.55250)削除
ロウェラ 容姿画像
(ななメーカー 様より)
エイプリルフール企画「虚妄の夢」のキャラ兼生前(?)の姿となります
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白烏さん (8o9grpe8)2023/3/28 20:08 (No.54678)削除
ウヴリの全体像をささっと
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白烏さん (8o9grpe8)2023/3/27 02:17 (No.54469)削除
クソどうでもいい落書き
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